「ラベルシールとは何か」「ラベルシール印刷の具体的な方法やポイントがわからない」といった疑問を抱えている企業担当者の方もいるでしょう。
必要な情報がわかりやすくまとめられたラベルシールは、企業の管理業務やマーケティングなど、さまざまな目的で活用されています。
本記事では、ラベルシールの基本情報から、自作と印刷会社への依頼の違い、そして実際の印刷の流れ・ポイントまで丁寧に解説します。
ラベルシールとは

ラベルシールとは、製品の名前や情報などが見やすく印刷されたシールです。必要な情報を盛り込むだけでなく、魅力的なデザインを印刷して他社との差別化を図る場合もあります。
ラベルシールの種類や用途は、以下のように多岐にわたります。
- 商品パッケージ
- 食品用ラベル
- 宛名ラベル
- 訂正シール
- 工業用ラベル
印字内容が都度変更になるような場合、ラベルシールを使えば、パッケージや封筒そのものに情報を記載するよりも差し替えが手軽で便利です。

ラベルシール印刷は自作と外注の2つがある

ラベルシールの作り方は、大きく分けて「自作」と「外注」の2つです。
自作する場合、パソコンでデータを作成し、オフィスのプリンターと市販のシール用紙で印刷します。外注する場合は、ネット印刷サービスや印刷会社に依頼します。
それぞれのメリット・デメリットをまとめると、以下のとおりです。
作り方 | メリット | デメリット |
自作 | ・短時間で気軽に作れる ・コストを抑えられる | ・仕上がりの質は外注に劣る ・用紙や加工・形状が限られる |
ネット印刷に外注 | ・データを入稿すればやりとりなしで印刷できる ・料金体系がわかりやすい | ・データ作成や素材選択の手間がかかる ・仕上がりチェックは限定的 |
印刷会社に外注 | ・データや素材の相談ができる ・定期的な発注を任せられる ・素材や加工の選択肢が豊富 | ・自作やネット印刷に比べて料金が高い場合がある ・担当者とのやりとりがある |
例えば、宛名ラベルなどの簡素なものや少数のラベルシールを作る場合は、自作が向いています。
一方、商品パッケージなどデザイン重視のシールや、業務で継続的に大量のシールが必要なときなどは、外注を検討するとよいでしょう。


【自作】ラベルシールの作り方の流れ

ラベルシールを自作する場合の工程は以下のとおりです。
- エクセルとワードで印刷データを作成する
- 印刷素材を準備する
- 自社のプリンターで印刷する
例として、宛名ラベルの作り方の流れを詳しくみていきましょう。
1.エクセルとワードで印刷データを作成する
ラベルシールは、エクセル(Microsoft Excel)で名簿リストを作成し、ワード(Microsoft Word)の「差し込み文書」機能を使って印刷する方法が一般的です。
まずは必要なデータを用意した上で、エクセルで名簿リストを作成します。名簿の文字がそのまま印刷されるため、郵便番号・住所・氏名に加えて、敬称の入力も必要です。誤字脱字がないことも入念に確認しましょう。
次に、ワードの「差し込み印刷の開始」タブから「差し込み印刷ウィザード」、「ラベル」へと進み、用紙を選択します。各メーカーの製品を選択する画面が表示されるため、使用する用紙の情報を確認しましょう。
最後に、「宛先の選択」から「既存のリストを使用」へ進み、作成した名簿リストを選択します。画面上で各情報の印刷位置を整えたら作業は完了です。
詳細な手順は、ソフトのバージョンによって異なる場合があります。公式サイト(Microsoft サポート)の最新情報を併せて確認してください。
2.印刷素材を準備する
ラベルシールの印刷素材として、市販のタックシールなどを用意します。
タックシールとは、一般的なプリンター用のシール用紙です。文房具店やホームセンター、オンライン通販などで広く販売されています。
また、タックシールにはインクジェット用とレーザープリンター用があり、使用するプリンターに応じて選ぶ必要があります。シールの形状や素材にもさまざまな種類があるため、用途に応じて選択しましょう。
3.自社のプリンターで印刷する
ラベルシールの印刷では、用紙の位置ずれや、上下・裏表の向きを間違えてセットするミスがよく起きます。
タックシールで印刷する前に、使用済みのコピー用紙などで試し刷りを行い、セッティングを確認しましょう。特に、タックシールを複数枚使用する場合には、事前確認が重要です。
用紙が問題なくセットされていれば、プリンターで印刷を進めましょう。
【外注】ラベルシールの作り方の流れ

ネット印刷や印刷会社にラベルシール制作を依頼する場合の流れは、以下のとおりです。
- デザインデータを用意する
- 印刷用紙を選ぶ
- 印刷の加工・形状を決める
例として、商品パッケージラベルの作り方の流れを詳しくみていきましょう。
1.デザインデータを用意する
商品パッケージラベルのように他社との差別化が重要な場合、質にこだわったデザインを制作しましょう。
印刷会社によって入稿できるデータ形式が異なるため、対応する形式でデザインデータを用意する必要があります。
ラベルシールのデザインデータは、Adobe IllustratorのAI形式やAdobe PhotoshopのPSD形式での入稿が一般的です。ほかにも、PDFやJPEG、PNGといった形式のデータに対応している場合もあります。
印刷会社によっては、デザインテンプレートの提供や、デザインから印刷まで一貫した対応を行っています。自社でデザインデータを用意するのが難しい場合は、ぜひ活用しましょう。


2.印刷用紙を選ぶ
ラベルシールにはさまざまな印刷用紙があり、それぞれ性質やデザインの効果が大きく異なります。
主な印刷用紙の特徴・メリットは以下のとおりです。
用紙 | 特徴・メリット |
上質紙・普通紙 | ・さらさらした質感でツヤがない一般的な用紙 ・文字を書き込んだりスタンプを押したりして情報更新しやすい ・食品用ラベルや割引シール、宛名ラベルに向いている |
ミラーコート紙 | ・強い光沢があり、高級感のある仕上がりになる用紙 ・発色がきれいで、写真やデザイン性を際立たせられる ・商品パッケージの表示シールやPOPシールに向いている |
アート紙 | ・表面が半光沢で、上質紙とコート紙の中間に位置付けられる用紙 ・光沢が弱いため文字が読みやすく、写真なども綺麗に印刷できる ・表示シールやパッケージシールなどに向いている |
和紙 | ・和の雰囲気を再現できる用紙 ・酒のボトルや米・和菓子などのパッケージシールに向いている |
フィルム | ・耐水性や耐久性が高く、製造工場で使いやすい素材 ・工業用や冷凍食品のラベルシールに向いている |
印刷会社に相談し、ラベルシールの用途に応じて最適な素材を選択するとよいでしょう。



3.印刷の加工・形状を決める
ラベルシールの印刷用紙だけでなく、特殊加工や形状も差別化の重要な要素です。
ラベルシールに用いる特殊加工の例として、以下があげられます。
加工 | 特徴・効果 |
箔押し加工 | ・金属の箔を熱と圧力でシールに転写する加工 ・金箔や銀箔でプレミア感を演出したり、光沢を出したりできる |
エンボス加工 | ・素材に凹凸を付けて浮き立たせ、立体感を出す加工 ・見た目・手触りで存在感をアピールし、高級感も演出できる |
ラミネート加工 | ・表面に粘着性のあるフィルムを貼る加工 ・ツヤやマットの質感を出せて、表面保護の効果もある |
また、ラベルの形状は四角形や円形、楕円形などが一般的ですが、印刷会社に依頼する場合は特殊な形状も選べます。貼り付けるパッケージの形状に合わせたり、目立ちやすい形状にしたりすることで、オリジナリティを高められます。
ここで紹介した以外にもさまざまな加工や形状があるため、印刷会社に詳細を確認しましょう。



まとめ

ラベルシールは、製品の情報や魅力をわかりやすく伝えるためのツールです。
ラベルシールには自作と外注の方法があるため、それぞれのメリットを把握した上で、用途に応じて選択してください。印刷会社に依頼すると、多彩な素材・加工・形状を選べて、差別化の幅が広がります。
本記事で紹介したポイントを参考に、製品の魅力を最大限引き出すラベルシールを制作しましょう。