ボトルラベルのデザインは、顧客が売り場で商品を手に取るかどうかの判断に大きな影響を与えます。購買行動を促すためには、商品に合わせたおしゃれなデザインや適切な印刷方法の選択が欠かせません。
そこで本記事では、ボトルラベルの種類やデザインの作り方、印刷方法のポイントなどをわかりやすく解説します。他社と差別化したボトルラベルを制作したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
ボトルラベルが果たす役割

ガラス瓶やペットボトルなどに貼られたボトルラベルには、商品の魅力や情報を一目で伝える役割があります。
多くの消費者は、手に取る商品を第一印象で無意識に決める傾向です。例えば、ドリンク類や調味料などの買う前に味見ができない商品は、ボトルラベルが購入の決め手になります。そのため、ボトルラベルのデザインによって他社との差別化が可能です。
また、製造元や原材料など、商品の情報を正確にわかりやすく伝えるのもボトルラベルの大切な役割です。使用上の注意などのリスク表示は安全な使用を促し、消費者トラブルの防止に役立ちます。
ほかにも、ボトルラベルには紫外線や水、高温・低温から商品を保護する効果があります。

ボトルラベルの種類

ボトルラベルには、以下のような種類があります。
ラベルの種類 | 概要 |
シュリンクラベル | ・透明なフィルムを熱で密着させるラベル ・表示面積が大きく商品の魅力をアピールしやすい |
インモールドラベル | ・ボトル成型時の熱で溶着させるラベル ・はがれにくく耐久性が高い |
ラップラウンドラベル | ・ボトルに巻き付けて貼るロール状のラベル ・廃棄の際にラベルを剥がしやすい |
グルーラベル | ・水性の接着剤を塗布しながら貼り付けるラベル ・水洗いで剥がせて、ボトルを再利用しやすい |
タックラベル | ・粘着シールを貼り付けるラベル ・形状が比較的自由で、粘着の種類を選択できる |
なお、ボトルラベルはエコの観点から廃棄しやすい種類へと変化している動きも見逃せません。例えば、ペットボトルにはシュリンクラベルが使用されてきましたが、近年はシールのラベルを用いるケースが増えています。
身近な例として、アサヒ飲料株式会社の「アサヒ おいしい水」では、表示内容をコンパクトにまとめた「シンプルecoラベル」という名称のタックラベルを採用しています。
消費者認知度の高い製品であれば、必要な情報が記載されていれば問題なく、リサイクルも簡単にできるという利点があります。
【容器別】ボトルラベルのデザインと印刷方法

ボトルラベルのデザインや印刷方法は、使用シーンや商品の保存方法に適したものを選ぶ必要があります。
ボトルの種類によって適したラベルのデザインや印刷素材は異なります。そのため、ボトルの形状や実際に貼られた状態を意識しながら検討しましょう。
以下では、ボトルの容器別におしゃれなデザインの作り方を詳しく紹介します。
化粧品・日用品のボトル
化粧品や日用品のボトルには、耐久性が高く仕上がりが美しいインモールドラベルが多く使われます。
売り場には多くの競合商品が並ぶため、ボトルラベルによる他社との差別化が欠かせません。自社の商品ターゲットから逆算して、魅力的なデザインを考え抜く必要があります。
例えば、男性向けの商品は黒を基調にしたデザインにして、女性向けとは違った雰囲気を打ち出すことなどがあげられます。ラベルとアテンションシールを併用して目を引く方法も効果的です。
また、日々目にするこれらの商品は、「飾っておきたいデザイン」も消費者に選ばれる理由になります。
一例として、粘着面から印刷内容が見える「両面印刷」という手法があります。透明なボトルの中身を通して裏に貼られたシールのデザインが見える演出により、通常のラベルにはないおしゃれなイメージを打ち出せるでしょう。


清涼飲料水用のボトル
ペットボトルをはじめとする清涼飲料水のラベルには、表示面積の大きいシュリンクラベルが使われるケースが一般的です。ボトルそのものや中身と一体化したデザインを意識して制作するとよいでしょう。
具体的には、ラベルの裏を透けさせる方法と白い下地を入れて透けさせない方法を併用するのがポイントです。ドリンクの色に合わせて透過部分と不透明部分のコントラストを意識すると、おしゃれなデザインに仕上がります。
両者の使い分けとして、ラベルデザインそのものを強調したい場合は全面に白い下地を入れて、中身の色や透明感を活かしたい場合は下地を入れずに印刷します。
なお、裏を透けさせる方法を用いる際には、ボトルや中身の色と混ざる前提で色選びをすることが重要です。
酒類のボトル
酒類のボトルには、接着剤により塗布するグルーラベルが用いられてきました。近年は、製造数の小ロット化や瓶の再利用が減ったことなどから、グルーラベルからタックラベルへ移行する傾向にあります。
ボトルラベルで商品の魅力やブランドストーリーを伝えられるため、デザインや印刷方法の工夫次第で売上向上につながるでしょう。
ラベルのデザインは、商品の特徴やターゲットを意識する必要があります。例えば、高価格帯の酒類は、和紙や箔押し印刷などで高級感を演出すると効果的です。また、20代・30代向けの商品であれば、軽やかでモダンなデザインを取り入れると魅力が高まります。
さらに、酒類のような大人向けの商品は、ストーリー性をもたせた訴求もおすすめです。ラベルに製品ができるまでの背景や生産者のメッセージを載せると、信頼感を持たれやすくなり、ブランディングに役立ちます。

調味料のボトル
調味料のボトルには、シュリンクラベルやラップラウンドラベルが使われます。調味料の味わいや新鮮さが感覚的に伝わり、食欲をそそるようなデザインにすると、購買につながりやすくなります。
例えば、ドレッシングのボトルには野菜の画像、油や醤油のボトルには雫(しずく)のモチーフを使うなど、使用シーンが目に浮かぶような表現を取り入れましょう。
また、調味料のボトルラベルは、種類ごとに適した素材や印刷方法が異なります。液体調味料であれば、残量が見えやすいシュリンクラベルが好まれる傾向です。一方、水や油がかかりにくい環境で使用されるスパイスやハーブなどのラベルには、温かみのあるクラフト紙も使われます。
ボトルラベル印刷の自社対応と印刷会社への依頼を比較

ボトルラベル印刷の自社対応と印刷会社への依頼の違いについて、以下の2つの観点から解説します。
- 自社対応ならテンプレートで手軽に制作できる
- 印刷会社なら特殊な印刷や加工に対応できる
それぞれ詳しくみていきましょう。
自社対応ならテンプレートで手軽に制作できる
自社でテンプレートを用いてレイアウトを作成し、プリンターでボトルラベルを印刷する方法があります。特に小ロットの場合はコスト削減になり、柔軟にデザインを変更できる点がメリットです。
「ラベル屋さん」や「Canva」などには、さまざまなデザインのテンプレートが用意されています。デザインの専門知識がなくても、手軽におしゃれなボトルラベルを制作可能です。
ただし、ラベルに必要な表示内容は自社でチェックし、ミスなく対応する必要があります。ラベル制作の機会が多い場合は、効率的に印字できるラベルプリンターの導入を検討するとよいでしょう。

印刷会社なら特殊な印刷や加工に対応できる
デザインにも対応できる印刷会社に依頼すると、企画から印刷、加工まで一貫したサポートを利用できます。一定のコストはかかりますが、商品に合わせた適切なデザインや印刷方法の提案を受けられる点が特徴です。
例えば、デジタル特殊印刷である「モザイク印刷」を採用すると、ベースデザインは同じのまま色や柄を多彩に変えられるため、顧客に強い印象を残せます。また、多くの印刷会社は、環境に配慮したラベル印刷やQRコード印刷などにも対応しています。
なお、大量印刷時に自社でのラベル貼りの手間が大きい場合は、ラベラーを導入して作業効率の向上を図る方法が効果的です。自動・半自動でラベルを貼り付けるラベラーの導入により、品質の安定化や商品管理の効率化にもつながります。


まとめ

ボトルラベルには、デザインや印刷方法の工夫次第で商品の購入を促す効果があります。近年はデザイン性の追求だけでなく、環境への配慮から、シンプルでありながらおしゃれなラベルを用いるケースも増えています。
デザインのテンプレートを使えば、自社でのラベル印刷が可能です。一方で、他社との差別化が必要な商品であれば、デザインにも対応可能な印刷会社へ相談するとよいでしょう。