ラベラーとは
想像して見てください。工場で製造された製品が次々と流れてくる様子を。
もし、これらの製品に一つずつ手作業でラベルを貼るとしたら、どれだけの時間と人手がかかるでしょうか?そこで活躍するのが「ラベラー」という機械です。ラベラーは、製品にラベルを自動で貼り付けることで、作業の効率化とコスト削減に大きく貢献しています。この記事では、ラベラーの基本的な種類や導入におけるメリット・デメリットを解説します。
ラベラーは「ラベル貼付機」、「ラベリングマシン、」「プリンタラベラー」など呼ばれ方は用途や機能、メーカーによって違います。この記事ではシールを製品に貼り付ける産業機械のことを総称して「ラベラー」としています。
ラベラーがもたらす生産性向上
製造現場では、効率性と品質が常に求められており、その中で製品にラベルを自動または半自動で貼り付ける「ラベラー」は、生産工程の重要な一翼を担っています。
手作業によるラベル貼りは、どうしてもスピードや精度・品質に限界が生じるが、ラベラーの導入により、その問題を解決することが可能になります。

手作業で貼る場合、作業する人によって精度に差がある場合があります。
ラベラーの特徴
ラベラーは、製品に正確にラベルを貼り付ける機器で、主に以下のような機能を備えています。
高速性と精度
ラベルを高速かつ正確に貼り付けることができるため、大量生産のラインでも作業の効率を最大化します。ラベルの位置ズレやシワが入る品質不良を抑えることができるため、製品の品質が一貫して維持されます。
多様なラベル形状への対応
四角形や円形・和紙や透明のラベルなど、様々な形状・材質のラベルに対応可能。また、製品の形状に合わせて、天面・側面・底面・胴面にもラベルを貼ることができる。

カスタマイズできる
ラベラーのプログラムは柔軟性が高く、貼り付け速度やラベル位置の微調整が可能です。また、異なるサイズの製品に対応するため、簡単に設定変更が行える機種もあります。(※プログラム変更が不可の機種もあり)
印字機能
貼り付けるラベルに印字を施す機能の付いた機器もあります。製造ロット番号や賞味期限など必要な情報の印字を貼り付け作業と同時に行うことができます。
また、機種によっては印字内容に間違いが無いかなど、カメラで印字検査を行い印字不良や印字内容間違いの市場流出を防止できる機器もあり安心です。
ラベラーの種類
自動ラベラーと半自動ラベラーの違い
製品にラベルを貼り付けるといっても機械の特性により大きく完全自動と半自動の2パターンに分けられます。
完全自動ラベラー
ラベルと製品をセットすると製品がコンベアで搬送され、自動で製品にラベルを貼り付けするタイプです。主に製品の製造ロットが多い製造現場に取り入れられる機器で、製品を手投入する仕様もあれば、充填機などに接続して前工程から搬送された製品に自動でラベル貼付を行う機器もあります。セッティング作業後は自動でラベル貼付を行ってくれるため人員も最小限で稼働できます。
半自動ラベラー
ラベルをセットし、製品は手作業でセットするタイプです。製品を機器に1個ずつ手作業でセットしてラベルを貼付するため製造ロットが少ない場合や頻繁にラベル貼り作業が必要ない製造現場に多く取り入れられます。
製品を決まった状態にセットし、機械を稼働させるとラベルが貼り付けられるため、貼り付け精度が高く、シワや位置ズレなどもなく綺麗にラベル貼付を行うことが可能です。都度、製品のセットが必要なため、必ず人員が必要になりますが簡単な作業のため慣れると一定のスピードで同じ精度で生産ができるようになります。
完全自動と半自動は生産ロット数や導入コスト、機器仕様などによって選択します。
ラベラー導入のメリットとデメリット
導入の際の長所・メリット
ラベラーを導入することで、企業にとって様々な利点が得られます。
作業効率の大幅向上
手作業では限界があるスピードと精度・品質等の問題を解消し、大量生産のラインでも安定した生産効率を得ることが可能これにより、作業員の手間が省け、人件費の削減も期待できます。また、一定のスピードで製造できるため、生産計画も立てやすくなります。
製造現場でボトルネックとなりがちな包装工程の省力化に大きく寄与できます。
一貫した品質の保証
機器により自動化されたラベル貼りにより、ラベルが均一に貼られ、製品の外観品質を保ちます。厳しい品質管理が求められ、生産性向上が求められる様々な業界の製造現場に於いてはラベラーの導入は不可欠です。
透明ラベルや大きなサイズのラベルなども気泡の入りや歪みを抑えて貼り付けることが可能です。
トレーサビリティ向上
印字機能を備えたラベラーを使用することにより、製品にシリアルNoやQRコード、バーコードをラベル上に印字し、トレース管理の印字がされたラベルを貼り付けることができます。これは、物流管理や在庫管理の精度を高めるだけでなく、製品の安全性や品質保証の観点からも重要なメリットとなります。
導入の際の注意点・デメリット
一方で、ラベラーにはいくつかの注意点もあります
初期コストが高い
ラベラーの導入には、機器本体の購入費用や設置工事、プログラム設定にかかるコストが伴うため導入初期にかかるコストが大きく、短期的な利益には繋がりにくい場合があります。
メンテナンスの必要性
機器である以上、定期的なメンテナンスや部品交換が必要となります。
運用スキルが必要
ラベラーを効果的に活用するには、操作方法やトラブルシューティングのスキルが求められ、新しい機器を導入した際には、操作員のトレーニングや技術サポートが必要となります。
ラベラーに使用できるシールとは
ラベラーに使用できるラベルは、基本的にロールタイプ(巻き取り)という仕上げ方法になります。ラベルの出し方向やロールの芯となる紙管の直径・ロールの外径や台紙の種類、ラベルの素材など機器に合わせる必要があるため、ラベル作成の際には事前に印刷会社に必要な条件を伝える必要があります。

シールの剥離紙(台紙)の種類によってはラベラーで使用できないものがあります。基本的にはグラシンタイプの薄い剥離紙を使用します。

また印字機能がある場合は、ラベルの表面(材質・ニス等の表面加工・ラミネート等の貼り合わせ加工など)と印字に使用するインクリボン等の相性によっては印字できない場合があるため事前の確認が必要です。
まとめ
ラベラーは、製造現場において生産性を大きく向上させる画期的な機器です。その高速性や精度、多様なラベル・ワーク形状への対応力は、現代の製造業において強力な競争力を生み出します。しかし、初期投資やメンテナンスなど、コストや運用面での課題もあるため、導入の際には十分な検討が必要です。
製品の品質と生産性を最大限に高めるためのツールとして、ラベラーは重要な役割を担ってくれます。導入の際には自社が必要とする性能や条件、解決したい問題点などを踏まえた上で相談し選択するのが良いでしょう。