箔押しシールは、キラキラとした美しいきらめきが魅力の人気アイテムです。企業が上手く活用すれば、製品に特別感・高級感を引き出したり、セキュリティ対策に役立てたりとさまざまな効果が得られます。
本記事では、箔押しシールの概要や効果的な使い方、印刷時のポイント・注意点などを解説します。自社のマーケティングに役立つ箔押しシール制作ができるよう、ぜひ最後までご覧ください。
箔押しシールとは

箔押しシールとは、金・銀など光沢のある箔を転写したシールのことです。シールのデザインに箔押しのワンポイントを加えるだけで、手軽にオリジナリティを高められます。
箔押しには、ホットスタンプとコールドフォイルの2種類があります。
箔押しの種類 | 概要 |
ホットスタンプ | 凹凸のある金属板を用いて箔を熱転写する手法 |
コールドフォイル | 専用の接着剤を用いて箔を転写する手法 |
シール印刷では、ホットスタンプの使用が一般的です。ホットスタンプには、箔がもつ輝きを目立たせるメリットがあります。
箔の種類は、金銀だけではなく、赤・青などの基本カラーやホログラム箔などさまざまです。用途やデザインに沿って選べば、シールの魅力を大きく向上させられるでしょう。

箔押しシールの使い方

箔押しシールの主な使い方には、以下の3つがあげられます。
- 特別感や高級感を演出する
- 自社のブランディングを強化する
- セキュリティ対策をする
それぞれのメリットを理解し、自社の事業やマーケティングに役立てましょう。
特別感や高級感を演出する
箔押しが持つ独特の美しい光沢感には、製品の特別感や高級感を演出する効果があります。
具体的なシールの使用例は、以下のとおりです。
シールの種類 | 効果 |
パッケージシール | デザインのポイントに使用し、製品の特別感をアピールする |
ギフトシール | ギフトの高級感を高める役割を果たす |
プレミアム商品や限定品のラベルに用いるのもよい方法です。箔押しのゴージャスなきらめきが消費者の目を引き、売上増加が期待できます。
また、箔押しの特別感・限定感は、購入者の満足度を高める可能性があります。製品に付加価値を与えて訴求力を高めたい場合は、箔押しシールを取り入れるとよいでしょう。
自社のブランディングを強化する
箔押しシールの光沢は、自社のブランディングやイメージを強化したいときにも役立ちます。
具体的な使用例には、以下があげられます
- 企業名やブランド名などのロゴシール
- 自社のオリジナルキャラクターシール
- 雑貨シール・ファンシーシール
箔押しで制作したロゴシールやキャラクターシールは、ひと際目立ちます。これらのシールを製品パッケージに貼りつければ、他社製品との差別化につながります。箔押しの雑貨シールやファンシーシールを売り出し、自社の認知度向上に役立てるのも効果的です。
また、箔押しシールをノベルティとして顧客に配布する方法もあります。箔押しシールの美しさがブランドイメージを高めて、消費者にインパクトを与えられます。

セキュリティ対策をする
箔押しシールは、簡易的なセキュリティシールにも使えます。箔押しには専用の印刷技術が必要なため、簡単にはコピーできないからです。
特にホログラム箔は光の反射が非常に複雑なため、企業のセキュリティ対策によく用いられます。箔押しシールは、製品の偽造防止に役立ち、ブランドの安全性・信頼性を高められるツールです。
セキュリティ効果をさらに向上させたい場合は、箔押しシールにエンボス加工を施すとよいでしょう。箔押しの色彩とエンボスの凹凸が相まって、偽造防止効果が一段と高まります。


箔押しシール印刷のポイント

箔押しシールを印刷する際のポイントとして、以下の3つを解説します。
- 目的に合った箔を選択する
- 箔押しの効果をデザインに活かす
- シール素材にこだわる
ポイントを理解することで、よりオリジナリティが高い印刷物の制作につながります。それぞれ詳しくみていきましょう。
目的に合った箔を選択する
箔の効果を最大限に引き出すためには、シールの目的やイメージに合致した箔を選択する必要があります。
箔の主な種類は、以下のとおりです。
箔の種類 | 特徴 |
金箔・銀箔 | ・金銀の光沢が美しい ・高級感の演出に向いている ・ツヤあり・ツヤ無しが選べる |
ホログラム箔 | ・レインボーカラーやモザイク柄など柄はさまざま ・光の反射で色が変化する ・近未来系やファンシー系などの演出が可能 |
カラー箔 | ・単一色でインパクトの強いメタリック調の色彩 ・ツヤやマット加工など多様な表現が可能 ・ブランドカラーを選択してロゴシールに使用するのもよい |
どのような仕上がりにしたいかをよく検討した上で、箔の種類を選びましょう。
箔にはキラキラの箔や角度によって色が変わる箔など色々な種類があります。



箔押しの効果をデザインに活かす
箔押しの効果とデザインの相性を意識すると、より訴求力の高い印刷物が制作できるようになります。
例えば、酒ラベルに金箔・銀箔のシールを使用すれば、高級感や伝統の味などのイメージが表現できます。クリスマスにちなんだシールの場合は、銀箔や赤・緑などの箔が映えるでしょう。
また、ホログラム箔はデザインによって印象が異なるため、シールの用途によってホログラムの柄も検討する必要があります。
具体的には、パステル調のホログラム箔や星・ハートなどを取り入れたホログラム箔は、ファンシーシールなどに向いています。若年層を中心に訴求する製品であれば、デジタルや近未来を感じさせる幾何学模様のホログラム箔を取り入れるのもおすすめです。
印刷会社によっては、特殊な箔加工ができる場合もあります。立体的な箔押し加工により、デザインのインパクトとオリジナリティを強化する、などが一例です。

シール素材にこだわる
箔押しシールの効果やコストは、印刷する素材によって大きく異なります。
箔押しシールによく使用される素材と特徴は、以下のとおりです。
用紙名 | 特徴 |
上質紙 | ・光沢やツヤは少ないがコストを抑えられる ・筆記性に優れてインキを吸収しやすい ・箔の密着感が高い傾向にある |
ミラーコート紙 | ・表面に光沢感のあるコーティングを施した紙 ・写真やイラストを美しく見せるのに向いている ・箔の光沢を強調できる |
マットコート紙 | ・表面にしっとりしたコーティングを施した紙 ・落ち着きと高級感のある色彩表現が可能 ・箔の美しさが強調されつつ趣きが感じられる |
アート紙 | ・表面に顔料加工を施した紙 ・ミラーコート紙に次いで光沢感がある ・箔に上品な光沢感を与える |
ホイル紙 | ・表面にアルミ加工をした紙 ・金銀があり、ツヤとマットも選べる ・マットのホイル紙にツヤの箔を施すと高級感がある |
基本的には、凹凸のない紙の方が箔が剥がれにくいため、箔押しとの相性は良くなります。一方、上質紙や和紙など表面にざらつきのある紙を使用すると、箔の表面に素材の質感が現れ、面白い表現になることがあります。

どの素材が良いかは、表現したいイメージと照らし合わせて検討しましょう。素材選びに悩んだ場合は、印刷会社に相談すると、専門の視点から提案を受けられる可能性があります。

箔押しシール印刷の注意点

箔押しシールを印刷するときは、デザインの線や文字の細さに注意が必要です。線や文字が細過ぎると、箔押しの際に線がつぶれてみえなくなってしまう可能性があるためです。
印刷会社によって指定する線幅は異なりますが、最低でも0.25〜0.3pt以上(※)の線幅を指定するケースがよくみられます。
※1pt=約0.35mm
また、箔押しの面積が広いと、加工時に空気が入って凹凸やムラができる場合があります。紙によって箔のノリの良さも異なるため、紙選びも重要です。
例えば、上質紙やコート紙は箔が密着しやすいですが、紙の種類によっては箔が若干剥がれやすかったり、欠けが生じたりする可能性があります。
注意点の詳細は印刷会社によって異なるため、事前によく打ち合わせをしましょう。
まとめ

箔押しシールには、製品の特別感を演出してブランドの価値を高める役割があります。また、偽造防止対策によりブランドの信頼性を向上させたい場合にも、箔押しシールの活用が効果的です。
箔押しシールの使い方や素材の特徴をよく理解して、自社の目的に合ったオリジナリティあふれる印刷物を制作しましょう。