エンボス加工とは
エンボス加工は立体的な質感を与え、視覚的にも触覚的にも印象深い仕上がりを実現する技法。
金属の凹版と樹脂などの凸版でシールをはさみ、圧力をかけることでシールに浮き出し部分を作る加工のこと。
シール自体に凹凸ができるため、見た目だけでなく手触りも楽しめる加工であり、高級感や存在感がある。
留シールやワンポイントシールとして多く利用されている
同じような仕組みで紙に凹みをつけて加工するデボス加工もあるが、シール印刷では主にエンボス加工が使用されることが多い。
エンボス加工の注意点
シール紙に圧力で凹凸をつける加工のため材質によって凹凸感が違う。
・エンボス加工に向いている材
ホイル、上質、アート、コート、和紙、クラフト紙など
・エンボス加工に向いていない材質
ユポ等のフィルム系、ラミネート加工した紙、薄い紙など
材質によっては凹凸感があまり表現できない場合もある。
エンボス加工は、専用の金型を製作する必要があるため通常のシール印刷よりもコストが高くなる。またエンボス加工は、すべてのデザインで使用できるわけではなく、細かい線や小さな文字、複雑な形状のデザインはエンボス加工が表現できない場合がある。細部が潰れてしまったり、見た目が不明瞭になったりするリスクがあるため、これらはデザインの段階で調整が必要。
素材違いのエンボスの加工。素材によってエンボス加工の見た目や手触りが変わる。
エンボス加工シールの用途
エンボス加工は、高級品のパッケージにも使用される。例えば、コスメや香水、高級チョコレートのパッケージにエンボス加工を施すことで、手に取った際の感覚的な高級感も演出できる。パッケージの質感はブランド価値と直結しており、エンボス加工はその演出にも適している。
また、エンボス加工はロゴに使われることも多い。企業のロゴをエンボス加工で強調することで、存在感をアピールすることができ、差別化を図ることができる。
・ロゴシール
ワンポイントとして高級感、存在感がある。エンボス加工のみで作成する場合も多い。
・パッケージシール
酒、菓子、ギフト商品など品名やデザインのポイントとして使用。
・ノベルティ、雑貨
ファンシーシールや雑貨、レターシールなど
エンボス加工にプラスαの効果
箔加工＋エンボス加工
箔加工の部分をエンボス加工で凹凸をつけることでより立体感のある仕上がりになる。
エンボス加工＋影デザイン
エンボス加工で浮き出る部分の周囲に影の印刷を行うことでより凸部分を強調することができる。
この写真のサンプルは特殊彫刻版を使用し、影の印刷を加えて印刷しています。