販促チラシは、自社の店舗や商品の認知拡大に役立つ重要なマーケティング手法のひとつです。企業のマーケティング担当者のなかには「販促チラシの作り方がわからない」「紙のチラシで本当に集客できるのか」などの疑問を感じる方もいるでしょう。
本記事では、成果につながる販促チラシの作り方や効果測定のノウハウ、印刷方法などをわかりやすく解説します。自社の強みを活かしたオリジナルチラシを作成できるよう、ぜひ最後までご覧ください。
販促チラシとは

販促チラシとは、自社の商品やサービスの魅力を伝え、購買を促す印刷広告です。
販促チラシの主な役割には、以下の4つがあげられます。
- 商品やサービスの紹介・認知度向上
- 自社のブランディング
- キャンペーンやセール情報の伝達
- 来客のきっかけづくり
販促チラシを配布する方法は、新聞折込やポスティング、店頭での手渡しなどが一般的です。近隣の住民や来店者の目に触れるため、地域に根差した集客や販促に適しています。
狙ったターゲットに直接アピールできるのは、紙の販促チラシならではの強みです。ウェブ上の広告はプラットフォームのアルゴリズムに左右され、膨大な情報のなかに埋もれる場合も多いため、ターゲットに情報が届くとは限りません。

販促チラシの作り方・デザインのコツ

販促チラシの作り方・デザインのコツには、以下の5つがあげられます。
- 販促の目的やターゲットを言語化する
- 競合他社と差別化できる要素を考える
- 一目で内容が伝わるレイアウトを検討する
- キャッチコピーを積極的に用いる
- フォントと配色にこだわる
コツを押さえて作成すれば、認知拡大や売上向上につながりやすくなります。それぞれ詳しくみていきましょう。
販促の目的やターゲットを言語化する
効果的な販促チラシを作るには、目的やターゲット、提供する商品・サービスの魅力を言語化して洗い出す必要があります。ターゲットを明確に設定せず、誰にでも当てはまるような内容の販促チラシを作成しても、消費者の心に響きません。
ターゲットに関して以下のような属性を設定しましょう。
- 年齢
- 性別
- 家族構成
- 職業
- 所得
- ライフスタイル
例えば「30代の共働き世帯で、仕事と家事・育児の両立に課題を抱えている女性」など、具体的な人物像をイメージするのがポイントです。
次に、その人物の興味や悩みから、「忙しくて買い物の時間がとれない」といった潜在的なニーズを分析します。そこから「ネット注文で手早く夕食の準備ができる」など、自社の商品やサービスのメリットを結びつけると、販促チラシで何を訴えればよいかが見えてくるはずです。
競合他社と差別化できる要素を考える
販促チラシで競合他社との差別化を図るには、まず自社を取り巻く競合の状況を把握する必要があります。
目安として10社程度の競合他社の商品やサービス、販促チラシのデザインなどを調査しましょう。あらかじめ調べておけば、競合他社と内容が重複するのを避けられます。
次に、ターゲットのニーズと自社商品の特長を照らし合わせ、自社ならではの強みや差別化できる点を洗い出します。例えば、他社が「選べる楽しさ」を売りにしている場合、自社は「専門家にお任せ」を打ち出すなどが一例です。
また、自社ならではの強みをアピールする際は、商品を知らない人にも伝わりやすくする工夫が重要です。具体的には、口コミや体験談、マンガなど、ポイントを具体的にイメージできる要素を取り入れると、販促チラシへの注目度が高まります。
一目で内容が伝わるレイアウトを検討する
販促チラシの効果を高めるには、一目で商品やサービスの魅力が伝わる、視認性の高いレイアウトが不可欠です。多くの人は、販促チラシを読むかどうかを数秒で無意識に決める傾向にあるためです。
具体的には、販促チラシに載せる情報を絞り込み、優先順位をつけましょう。情報量が多すぎると文字が小さくなり、読みにくくなります。
販促チラシに必要な情報の例には、以下があげられます。
- 商品やサービスの内容
- 自社の概要
- 店舗情報
- セールや特典の告知
- 問い合わせ先
また、販促チラシのレイアウトは、目線の流れを意識して作成するのがおすすめです。縦書きのレイアウトは右上から左下、横書きの場合は左上から右下へと、優先度の高い要素を順に配置します。
視線の動きに沿って文字や写真、イラストを配置すると、読者をアピールしたい情報へ効果的に誘導できます。
キャッチコピーを積極的に用いる
魅力的なキャッチコピーを添えることで、販促チラシの効果が高まります。ただ情報を並べるだけでは競合他社に埋もれてしまい、チラシを「読んでみよう」という気持ちにさせられません。
キャッチコピーを作成する際の注意点は、以下のとおりです。
- 商品・サービスで得られる理想の未来をイメージさせる
- 具体的な数字を提示する
- 意外性を盛り込む
- 簡易性を伝える
例えば「手抜きなのに褒められる!魔法の冷凍食品」「たった3分!電子レンジで本格レストランの味」などがあげられます。自社の商品・サービスならではの強みから、響きやすいポイントを洗い出しましょう。
フォントと配色にこだわる
販促チラシのフォントと配色は、ターゲットや商品・サービスのイメージに合うものを選びましょう。
フォントには、洗練された印象の明朝体、シンプルな印象を与えるゴシック体など、それぞれ固有の強みがあります。フォントの大きさは11ポイント以上を基本とし、情報の重要性に合わせてメリハリをつけましょう。
また、色のもつイメージや心理的効果を意識すると、魅力的な販促チラシを作成できます。例えば、赤は力強さ、黄色は明るさや注意を連想させます。色の数は3つまでにして、ベースカラー70%、メインカラー25%、アクセントカラー5%の割合にするのがおすすめです。


販促チラシの効果測定方法
販促チラシの反響率を明確にすると、どのような訴求に効果があるか、チラシのどこを改善すべきかなどの戦略を立てられます。
反響率の計算式は以下のとおりです。
反響率(%)=反響数 ÷ 配布チラシ枚数 × 100 |
販促チラシの反響率の平均値は、0.01〜0.3%程度といわれています。
販促チラシの反響数を調べる際には、以下の方法が用いられます。
方法 | 詳細 |
クーポンをつける | ・セール商品などに限定クーポンをつけて、使用率を確認する ・チラシごとに色やデザインを変えたり、個別のIDをつけたりするとより正確に測定できる |
QRコードを印刷する | ・QRコードでWebサイトに誘導して、チラシ経由のアクセス数を計測する ・チラシ用のページを作ると簡単に計測できる |
専用の電話番号を設置する | ・来店予約や問い合わせなどの電話番号を記載する ・高額商品やターゲットの年齢層が高めの場合は、電話に安心感を覚えることがある |
販促チラシを制作する際、1部ごとにデザインや番号を個別に変えられるバリアブル印刷を取り入れると、詳細な効果測定が可能になります。
チラシの反響率が思わしくない場合は、ターゲット設定や配布エリアなどを再検討しましょう。

販促チラシの印刷方法を比較

販促チラシは印刷方法によってコストや品質が大きく異なります。自社の予算や目的に合わせて、最適な方法を選びましょう。
主な印刷方法には「自社で制作」「広告代理店に依頼」「印刷会社に依頼」があります。それぞれの違いをまとめると、以下のとおりです。
印刷方法 | メリット | デメリット |
自社で制作 | ・コストを抑えられる ・小ロットにも柔軟に対応できる | ・デザインの幅やクオリティに限界がある ・印刷の品質が安定しない場合がある |
広告代理店に依頼 | ・マーケティングやデザインに強みがある ・ポスティングも対応できる場合がある | ・コストが高くなる傾向にある ・印刷のノウハウや対応に限界がある |
印刷会社に依頼 | ・印刷技術や特殊加工により差別化できる ・企画・デザインから印刷まで一括対応できる場合がある | ・マーケティングやデザインに非対応の場合がある ・小ロットの場合は割高になる傾向にある |
印刷会社であれば、目的に応じた用紙や加工の提案が可能です。例えば、光沢があって色鮮やかなコート紙や筆記性の高い上質紙など、幅広い選択肢があります。また、QRコードやクーポンのナンバリングにも対応でき、効果測定に活用できます。
対応範囲は印刷会社ごとに異なるため、事前に確認しておくと安心です。
まとめ

販促チラシは、商品・サービスの認知度向上やブランディングに役立つ効果的なマーケティングツールです。販促チラシを作る際は、ターゲットを明確にして、商品やサービスの魅力が一目で伝わるデザインを意識する必要があります。
また、販促チラシにクーポンやQRコードを掲載して効果を測定すれば、成果につながりやすくなります。自社で対応が難しい場合は、実績のある印刷会社に相談するとよいでしょう。