【一覧】箱の種類を完全解説!パッケージ制作を成功させる選び方とは?

箱の種類 解説

パッケージは、商品の保護やブランディングに大きく関わるものであり、なかでも箱の種類は重要な要素のひとつです。商品の特徴や魅力に合った箱を選べば、耐久性はもちろん、消費者に刺さるデザインが実現しやすくなります。

本記事では、代表的な箱の種類や特徴、パッケージ制作で箱を選ぶコツなどをわかりやすく解説します。パッケージの企画を円滑に進めたい企業担当者の方が、印刷会社との打ち合わせで迷わないための基礎知識をまとめました。

パッケージのデザインだけでなく、箱の形状にもこだわり、魅力的な見栄えの商品で売上の向上を目指しましょう。

目次

箱には「組み箱」と「貼り箱」の2種類がある

組み箱、貼り箱

企業が商品の包装や梱包に使用する箱には、大きく分けて「組み箱」と「貼り箱」の2種類があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。(上記イラストはイメージです)

種類概要
組み箱・紙を打ち抜いて折り曲げ、糊付けや差し込みで組み立てる
・平らな展開図の状態で納品できる
・輸送・保管時にスペースを取らない
・軽量かつコストが安めで、大量生産に向いている
貼り箱・厚紙を芯材に使い、表面に装飾紙を貼り付けて仕立てる
・折りたたみができず、完成品の状態で納品される
・強度が高く、高級感や重厚感を出しやすい
・材料・製造のコストが高めで、大量生産にはやや不向き
・組み箱より納品に時間がかかる場合が多い

一般的に、大量生産する日用品やお菓子、化粧品のパッケージには、組み箱を用いる場合が多い傾向にあります。一方、高級時計やジュエリーといった高級商品のパッケージには、貼り箱を用いることも少なくありません。

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【一覧】代表的な箱の種類と特徴

企業の商品パッケージに使われやすい組み箱を中心に、以下の順に代表的な箱の種類と特徴を解説します。

  • キャラメル箱|コストが安めで汎用性が高い
  • 地獄底箱|コストと強度のバランスが良い
  • ワンタッチ箱|強度が高く重量物も入れられる
  • ピローケース|独特の形で印象を残せる
  • N式箱|大きめのサイズで安定感がある
  • スリーブ箱|高級感を演出できる
  • フタミ式組箱|特別なギフトにふさわしい

それぞれの特徴を理解して、自社の予算や用途に合った箱を選びましょう。

キャラメル箱|コストが安めで汎用性が高い

キャラメル箱とは、上部と底面に差し込み式の蓋がついた最も一般的な紙箱です。サック箱とも呼ばれます。

キャラメル箱のメリット・デメリットには、以下があげられます。

メリット・印刷・加工がしやすくコストが安め
・縦置き・横置きの両方に対応できる
・陳列時に扱いやすく、汎用性が高い
デメリット・底面の強度が弱く、重量物には不向き
・中身が動きやすく固定しにくい
・特別感や高級感を出しにくい

キャラメル箱はお菓子や日用品、化粧品など、小型・軽量の商品パッケージによく用いられます。

地獄底箱|コストと強度のバランスが良い

地獄底箱とは、上部が差し込み式で、底面を四方(フラップ)の噛み合わせで作る箱です。底組箱やアメリカンロック、底ロックといった名称も使われます。

地獄底箱の主なメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリット・底面が固定されており、比較的重いものを入れられる
・コストを抑えつつ強度を確保できる
・底面が平らなため、安定している
デメリット・底を組み立てる手間がかかる
・デザイン上、底の仕上がりが不格好になる場合がある
・キャラメル箱より若干コストが高め

地獄底箱は瓶入りの飲料や化粧品、調味料のパッケージによく用いられます。

ワンタッチ箱|強度が高く重量物も入れられる

ワンタッチ底 箱

ワンタッチ箱とは、上部が差し込み式で、底面は四方を噛み合わせて2ヶ所を糊付けして作る箱です。底貼り箱と呼ばれることもあります。

ワンタッチ箱のメリット・デメリットには、以下があげられます。

メリット・底面が強固で重量物に耐えられる
・組み立てが簡単で効率的である
・作業時間を短縮でき、大量生産に向いている
デメリット・キャラメル箱よりコストが高め
・対応サイズがやや限定的である
・折りたたみ時にややかさばる

ワンタッチ箱は、重さのある飲料やお菓子、ネット通販の商品箱によく用いられます。

ピローケース|独特の形で印象を残せる

ピロー箱、ピローケース

ピローケースとは、枕(ピロー)のように両端が丸みを帯びた形状の箱です。太鼓貼りという名称もあります。

ピローケースの主なメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリット・丸みのある独特の形で印象に残りやすい
・小物やお菓子を包むとギフト感が出る
・簡単に開閉でき、イベント用にも向いている
デメリット・内容量が限られる
・重い商品には不向き
・自立性が弱く、陳列時に安定しにくい

ピローケースは、小さいお菓子(飴やクッキーなど)やアクセサリーといった軽量ギフト品に多く用いられます。

N式箱|大きめのサイズで安定感がある

N式箱とは、本体と蓋が一体化しており、折り返して組み立てるタイプの箱です。箱の展開の動きがアルファベットの「N」に類似しています。

N式箱のメリット・デメリットには、以下があげられます。

メリット・強度が高く、中身をしっかり保護できる
・大きめのサイズでも安定感がある
・開けやすく、繰り返し使用できる
デメリット・構造が複雑でコストがやや高め
・高さのある内容物は入れにくい
・小物を少量入れると中身が安定しない

N式箱は、贈答用ギフト箱や宅配用のお菓子箱(詰め合わせ)やケーキ用箱、記念品によく用いられます。

スリーブ箱|高級感を演出できる

スリーブ箱とは、中箱が外側の筒状の箱(カバースリーブ)で覆われている二重構造の箱です。中身を出すときには、スライドして開閉します。

スリーブ箱の主なメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリット・二重構造により高級感や特別感がある
・スリーブ部分を変えてデザインの幅を広げられる
・中身をしっかり固定できる
デメリット・製造コストがやや高め
・二重構造のため重量が増える
・作業工程が増え、手間がかかる

スリーブ箱は高級菓子ブランドやギフト商品のパッケージに多く用いられます。

シール研究部

スリーブの素材を透明にすることで中身の見える箱にすることもできます。ギフト商品などにも向いています。

フタミ式組箱|特別なギフトにふさわしい

フタミ式組箱とは、「身箱(本体)」と「蓋箱」に分かれていて、二つの箱を重ねて使う構造の紙箱です。かぶせ箱とも呼ばれます。

フタミ式組箱のメリット・デメリットには、以下があげられます。

メリット・ギフトらしい特別感を演出できる
・高さの調節や内側の装飾がしやすい
・箱自体を収納ケースとして使用できる
デメリット・身箱と蓋箱がありコストが高め
・納品や保管のときにややかさばりやすい
・開封に少し手間がかかる

フタミ式組箱は、高級ギフトやアクセサリー、記念品の箱によく用いられます。

パッケージ制作で箱の種類を選ぶコツ

パッケージ制作の成功に向けて適切な箱を選ぶためには、これまで紹介したような箱の強度やコスト、デザイン性など、さまざまな観点から検討する必要があります。

その際、箱には既製品を利用する方法とオリジナル(別注)で制作する方法がある点も、押さえておきましょう

既製品を利用する方法のメリット・デメリットには、以下があげられます。

メリット・版代などの初期費用がかからず、安価に導入できる
・急ぎの注文や小ロットでの発注に対応できる
・テスト販売や試作品などの一時的な利用に向いている
デメリット・デザインや形状が他社製品と類似しやすい
・規格サイズが商品の大きさに合わないと、緩衝材が必要になる
・選べる素材や加工の種類が限定される

一方で、オリジナル(別注)で制作する方法のメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリット・独自のデザインや形状により、競合と差別化できる
・商品にぴったり合ったサイズで、緩衝材が不要になる
・素材・加工を柔軟に選べて、付加価値を高められる
デメリット・デザイン費用や版代などの初期費用がかかる
・既製品と比べて発注から納品まで時間がかかる
・一度に発注するロット数が大きくなる傾向にある

上記のメリット・デメリットを比べて、自社に合った方法を選ぶことが重要です。

また、本格的に大量注文する前に少量を購入したり、サンプルを取り寄せたりして、実際に商品と合っているか確認する方法がおすすめです。

自社で箱選びが難しい場合は、実績のある印刷会社に相談するとよいでしょう。印刷会社によっては、商品の形に合わせた特殊な形状や、環境素材のパッケージなどの提案を受けられる可能性があります

シール研究部

既製品の箱を使用する場合は、オリジナルの掛け紙やシールを合わせることでブランディングできます!!

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箱の種類が決められない時の3つの解決策

「どの箱が最適か絞り込めない」「プロの意見を聞きたい」といった場合は、無理に箱の形を決めず、以下の情報を印刷会社に伝えることで、最適な提案を引き出すことができます。

伝えるべき必要な情報

中身と取り扱いの「スペック」を明確に伝える

商品の物理的な情報や、箱が担う役割(強度や取り扱い)に関わる情報を共有することで箱素材と強度のバランスを考慮した提案が得られます。

  • 中身の具体的な情報:商品のサイズ(縦・横・高さ)と重量(最大値)
  • 箱に入れる個数
  • 輸送方法:(ECでの配送か、卸先への納品か、海外輸出か)
  • 陳列方法:(棚に置く、重ねて陳列、吊り下げるなど)

目指す「見た目のイメージ」と「予算」を共有する

デザイン的な希望や、コストの制約を事前に伝えることで、実現可能な範囲での最適な紙質や加工方法を含めた提案が可能です。

  • 見た目のイメージ:「高級感」「ナチュラル感」「カジュアルさ」「特別感」など。
  • 予算とロット数:「〇〇個で、1個あたり〇〇円以内に抑えたい」といった具体的な数字(既製品利用もOKか、オリジナル制作か、どこまでコストをかけられるかなど。

課題や不安に感じていること

現在抱えている課題や不安点を伝えることはとても大切です。印刷会社は単に箱を作るだけでなく、その課題を解決するための提案も行えます。
例えば
「配送中に箱が潰れることが多いため、強度を上げたい」 「組み立て作業を簡単にしたい」「保管する際にできるだけコンパクトにしたい」 など。

シール研究部

中に入れる商品(現物)があるとより確実です。

まとめ

まとめ

企業が商品パッケージに用いる箱には、キャラメル箱や地獄底箱、ワンタッチ箱など、さまざまな種類があります。商品に合った箱を選ぶためには、それぞれの特徴を押さえた上で、コストや納期、強度、デザイン性などの観点から検討することが重要です。

どの箱が最適か判断が難しい、他社との差別化を強化したい場合は、印刷会社に相談してオリジナルで箱を制作すると、質の高いパッケージに仕上がりやすくなるでしょう。

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