ラミネート加工とは
シール印刷のラミネート加工は、印刷を行ったシールに粘着性のあるラミネートを貼り付ける加工のことです。ラミネート加工をすることで印刷の表面を保護したり、ツヤやマットなどラミネート素材の特徴を生かした表現を与えることができます。
ラミネート加工をする目的
・表面保護
・表面の質感を変える
・特殊な機能の追加
主なラミネート素材の種類と特徴
【主なラミネート素材の種類と特徴】
・ツヤラミネート
・マットラミネート
・エンボスラミネート
・ベルベットラミネート
・UVカット(サンカット)ラミネート
・抗菌ラミネート
・ハーフラミネート
・ホログラムラミネート
など
ツヤラミネート
最も一般的なラミネートで印刷面を保護すると同時に光沢を与えることができます。ツヤ感から写真印刷の発色が増す効果もあります。
OPPやPETなどの素材があり、シールの使用用途によって使い分けます。
マットラミネート
艶消しのフィルムで印刷面の保護と同時に表面のツヤを消す効果があります。
印刷面の反射を抑えるため文字が読みやすくなったり、落ち着いた高級感を与えることができます。
OPPやPETなどの素材があり、シールの使用用途によって使い分けます。
エンボスラミネート
表面に細かいエンボス加工を施した凹凸があるラミネートで触るとザラザラとした手触りのラミネートです。
フロアシートなどの表面に使用することで通常の平滑なラミネートより滑りにくくする効果を期待することができます。
ベルベットラミネート
艶消しのラミネートですが、一般的なマットラミネートよりさらにしっとりとした手触りと高級感があります。落ち着いた印象を与え、ベルベット生地のような独特の手触りのラミネートです。ギフト商品や化粧品などに使用されることが多い。
UVカット(サンカット)ラミネート
紫外線吸収剤を練り込んだラミネートで紫外線によるインキの退色を軽減する効果があります。
主に屋外に貼るステッカーなどに使用されることが多く、このラミネートだけで完全にインキの退色を防ぐことはできないため、シールの使用環境に応じて、耐光インキと併用することなどを推奨しています。
抗菌ラミネート
表面基材に抗菌剤を練り込んだ特殊フィルムを使用したラミネートで、貼ることで表面の細菌の増殖を抑える効果が認められています。見た目は通常のラミネートと変わりありません。
ハーフラミネート
シールの一部分にラミネートを貼り付け、残りの部分は台紙がついた状態のラミネート加工です。シールに文字などを記入したあと、自身で台紙を剥がしてラミネート貼り付けることができるため、後から記入した文字も保護することができます。管理ラベルなどに使用されることが多い。
ホログラムラミネート
ホログラム加工されたフィルムを使うことで表面全体にホログラムの柄や輝きを与えることができます。
透明フィルムの表面に模様がついているタイプとフィルムの裏側から模様を蒸着させているタイプの2種類があり、用途に応じて選択します。
ラミネートを選ぶ時に確認する点
見た目 | シールの表面の見た目は?ツヤにしたいかマットにしたいか |
シールの用途 | どこで、何に使用するシールか |
材質 | シールの材質は何か |
擦(こす)れ | シール表面が擦れたりする可能性があるか |
使用期間 | どのくらいの期間貼るか |
使用場所 | 屋内か、屋外か、水ぬれの可能性はあるか |
必要な機能 | シールを使用する上で必要な機能は |
ラミネート加工の注意点
●印刷面の発色など見え方が変わります。
●完成品にラミネート加工がある場合、色校正もラミネートをして確認する必要があります。
ラミネートの種類によって色の見え方が変わるため、ラミネートの種類を変更する場合は色の確認が必要になります。ホログラムラミネートの場合はデザインの見え方なども事前に確認しましょう。
●ツヤラミネートやホログラムラミネートは表面の光沢や柄によって細かい文字が読みにくくなる場合があります。
またツヤの反射によってバーコードが読み取りにくくなる場合があります。
●マットラミネートで表面が運送中に擦れる可能性がある場合は擦れても傷のつきにくいラミネートを推奨します。
●マット系のラミネートは濃い色の上に使用すると白っぽくなることがあります。(下記画像参照)
まとめ
ラミネートは印刷面の保護や加飾を目的として使用されることが多く、印刷物の品質や見た目を向上させてくれる役割を担っています。シールの使用目的に合わせて適した種類を選択することが大切です。