学校案内パンフレットは、志願者や保護者が志願先を選ぶ際に重要な役割を果たします。おしゃれなデザインで学校ならではの魅力を伝えて、他校と差別化することが重要です。
本記事では、学校案内パンフレットの役割や盛り込むべき内容、おしゃれなデザインの作り方をわかりやすく解説します。
効果的な学校案内パンフレットの配布により、学校の認知度をアップさせ、志願者増加を目指しましょう。
学校案内パンフレットとは

学校案内パンフレットとは、志願者と保護者から入学先として選ばれるために、学校の魅力や入学情報をまとめた冊子です。
学校案内パンフレットの制作時には、単に必要な内容を網羅するだけでなく、他校と差別化する視点が大切です。特に、デザインによって学校の魅力や校風を表現することで、ターゲットに強いインパクトを残せます。
学校に対して興味・関心の段階にあるターゲットに幅広く訴求できるため、志願者増加に向けた広報戦略の一環として位置づけ、戦略的に取り組みましょう。
なお、近年は紙媒体の学校案内パンフレットをウェブ媒体や動画と連動させて、より詳細な情報を得やすくするケースもあります。

学校案内パンフレットに盛り込むべき内容

学校案内パンフレットのデザインを制作する際に、まずは盛り込むべき内容を整理しましょう。志願者と保護者の両方を意識して、重要な情報を漏れなく記載する必要があります。
主に盛り込むべき内容の例には、以下の項目があげられます。
| 狙い | 具体例 |
| 学校概要を伝える | ・基本情報(沿革の年表、校長メッセージ) ・学部・学科、コース(定員、取得学位の種類) ・アクセス(最寄り駅と所要時間、キャンパスマップ) |
| 志願者の興味を惹く | ・カリキュラム早見表(学年別の必修・選択、履修モデル) ・過ごし方(1日の授業の流れ、放課後の補習) ・部活動・同好会(種目一覧、活動の様子) |
| 他校と差別化する | ・学校生活・行事(独自の行事、年間のカレンダー) ・施設・設備(図書館や実験室、ICT環境の強み) ・在校生・卒業生の声(志望動機、成長の例) |
| 保護者の疑問や不安を解消する | ・進路・就職(進学先・就職先の分布、キャリア支援体制) ・入試情報(選抜方式の一覧、日程・会場) ・学費・奨学金(金額や内訳、減免・奨学金の種類と条件) |
特に、学校ならではの強みをわかりやすく盛り込み、他校と差別化する視点が重要です。
記憶に残るデザイン、発注前に知るべき6つの原則

学校案内パンフレットのおしゃれなデザインのポイントには、以下があげられます。
- 志願者や保護者に与えたい印象を考え抜く
- 全体の統一感を損なわずに細部をデザインする
- ビジュアル要素を効果的に盛り込む
- 表紙でインパクトを与える
- 文章は読みやすさを追求する
- 印刷素材や特殊加工で差別化する
学校案内の構成や内容の情報は、学校側で作成するのが基本です。一方で、デザイン会社や、デザイン制作も可能な印刷会社に相談すると、客観的な視点からアドバイスをもらえます。外部の意見を取り入れることでわかりやすく伝えることができる場合があります。
それぞれのポイントを詳しくみていきましょう。
志願者や保護者に与えたい印象を考え抜く
学校案内パンフレットのデザイン制作時には、まず志願者や保護者に与えたい印象を明確に定義します。メッセージのない無難な内容だと、かえって誰の心にも刺さらないためです。
例えば、「生徒一人ひとりの面倒見を重視する温かい学校」の場合を考えます。柔らかい色使いで統一して、先生と生徒の穏やかなやりとりが伝わる写真を多用することで、安心感を視覚的に表現できます。
各ページのデザインや内容を考える際にも、こうした与えたい印象に沿っているかどうかを確認しましょう。デザインの方針に沿わないものは、むしろ切り捨てるほうが効果的です。
全体の統一感を損なわずに細部をデザインする
学校案内パンフレットのおしゃれなデザインで印象を残すためには、表紙から中身、裏表紙まで統一感をもたせることが重要です。
具体的には、見開きの基本パターンを定め、ページごとのデザインのブレを抑えます。例えば、左には「大きな写真と短いキャッチ」で、右には「本文と図」にするといった方法があります。
また、見出しやキャプションの階層、余白のルールなどを決めて、章をまたいでもできる限り変えない工夫もおすすめです。学校のキーカラー(校章や制服の色など)やアクセント色も意識して、章ごとに少し変化を出しつつ、基調となる印象は保つようにしましょう。

ビジュアル要素を効果的に盛り込む
志願者や保護者は多くの学校案内パンフレットを見比べるため、短時間でイメージが伝わるビジュアル要素が不可欠です。特に重要度の高い内容には、積極的にビジュアル要素を盛り込みましょう。
例えば、章扉のメイン写真は、以下のような「学校らしさ」が直感で伝わるカットを慎重に選びます。
- 授業での対話シーン
- 文化祭や体育祭の象徴的なカット
- 留学生との交流シーン
また、文章だけでは伝わりにくい内容や、印象に残したいメッセージには、オリジナルの漫画を使用する場合があります。
そのほか、QRコードを用いて、動画による校内ツアーや在校生インタビューなどに誘導する方法も効果的です。
表紙でインパクトを与える
学校案内パンフレットの表紙では、「伝えたい一言」を決めて、写真かイラストかのどちらかを選びます。表紙だけで学校らしさが一瞬で伝わるようにする工夫が必要です。
具体的には、写真の場合は「学校らしさが一目でわかる1カット」を主役にしましょう。校風を象徴する場所と生徒の表情など、印象に残りやすいデザインを考えます。
イラストの場合は、学校ならではの魅力を象徴的に描くと効果的です。例えば、探究心を強調したい場合は「ルーペとノート」、国際色を打ち出したい場合は「地球と会話の吹き出し」などがあります。
そのほか、表紙では以下のようなデザインの基本を押さえてください。
- わかりやすいキャッチコピーを入れる
- ロゴや校名は目立ちすぎない位置にして余白をとる
- 文字が読みやすいコントラスト(明暗差)を意識する
こうしたデザインの工夫が施された表紙であれば、生徒や保護者から繰り返し読まれる可能性が高まります。
文章は読みやすさを追求する
学校案内パンフレットでは、「読者は文字をしっかり読まない」という前提に立って、読みやすい文章を記載する必要があります。読者がビジュアル要素を見ながら、文章を拾い読みできるようにするデザインが理想です。
学校案内パンフレットの文章執筆には、以下のコツがあります。
- 見出しやリードで結論を先に出す
- 一文で伝えたい内容は一つに絞って短くする
- 箇条書きや表を積極的に用いる
- 専門語は言い換えや注記を添える
- フォントは基本的な書体(ゴシック体・明朝体など)を選ぶ
フォントはユニバーサルデザインフォント(年齢や障害の有無に関わらず読みやすい文字)の活用も選択肢のひとつです。誰にとっても親切なレイアウトを検討しましょう。

印刷素材や特殊加工で差別化する
学校案内パンフレットのデザインの仕上げとして、印刷素材や特殊加工を活用すると、他校と差別化できます。特に、学校案内パンフレットは学校のイメージと直結しやすいため、見た目のインパクトや重厚感が重要です。
まずは「質感で何を伝えるか」(元気・落ち着き・上品など)を決めた上で、必要な要素を選択します。
学校案内パンフレットに適した印刷素材には、以下のような種類があります。
| 素材 | 概要 |
| コート紙 | ・表面に光沢があり鮮やかな発色を再現できる ・写真などビジュアル重視の場合に向いている |
| マットコート紙 | ・コート紙に比べて光沢が抑えられて落ち着いた印象 ・文字が読みやすく情報を盛り込みやすい |
紙のサイズは、情報を掲載しやすく持ち運びもしやすいA4サイズが一般的です。
また、学校案内パンフレットに用いる主な特殊加工には、以下の2つがあります。
| 特殊加工 | 概要 |
| グロスPP加工 | ・つやにより鮮やかな印象になる ・学校の活発さや明るさを表現しやすい |
| マットPP加工 | ・つやがなく落ち着いた上品な印象になる ・学校の伝統や真面目さを表現しやすい |
ほかにも、印刷会社に相談すれば、与えたい印象に合った素材や加工を提案してもらえる可能性があります。
シール研究部予算、見せ方、部数など、どこに一番注力するかを明確に決めることが成功の鍵です。


まとめ


学校案内パンフレットは、学校の魅力を志願者や保護者に伝えて、他校よりも選ばれやすくするために大きな役割を果たします。デザインを制作する際には、与えたい印象を明確にした上で、イメージに沿ったビジュアル要素や文章を盛り込む視点が重要です。
デザイン制作のノウハウがない場合には、実績のあるデザイン会社や印刷会社に相談するとよいでしょう。客観的な視点から、自校の魅力を存分に表現するための提案を受けられる可能性があります。
