ホログラム印刷とは?加工の種類・仕組みや依頼のポイントを徹底解説

ホログラム印刷とは

「ホログラム印刷の種類や依頼方法がわからない」「印刷物をどのように活かせるか知りたい」と悩んでいる方もいるでしょう。

ホログラム印刷は、見栄えが良く美しい製品づくりに役立つ印刷方法です。ポイントを押さえてオリジナリティのあるパッケージやシールを作成すれば、自社のマーケティングにも活用できます。

今回は、ホログラム印刷の概要やメリット、種類、依頼時のポイントなどを徹底解説します。

目次

ホログラム印刷とは

ホログラム印刷とは、虹色にキラキラと輝く素材や加工を施した印刷のことです。光を当てる方向によって光り方や色が変化し、印刷物をより美しく目立たせる効果があります。

ホログラムは、ギリシア語の「Holo」(完全)と「Gram」(記録)に語源があり、すべてを記録するといった意味です。光の干渉や屈折を応用して三次元の像を記録・再生する技術で、物体が立体的に浮かび上がるように見えるのが特徴です。

ホログラム印刷は、パッケージやシール、広告・ポスター、ノベルティなどさまざまな印刷物に用いられています。最近では、新紙幣の偽造防止策にも採用されて話題になりました。

ホログラムが光る秘密は、表面に施された微細なエンボス加工にあります。見た目ではわからない小さな凹凸によって光が乱反射し、見る方向によって色彩が変わる仕組みになっています。

ホログラム印刷のメリット

ホログラム印刷(ホログラム加工)の主なメリットには、以下の3つがあげられます。

  • プレミア感を演出できる
  • 印刷物の耐久性が高まる
  • セキュリティ向上に役立つ

メリットを深く理解すれば、自社のマーケティング強化や印刷物の質向上に役立ちます。それぞれ詳しくみていきましょう。

プレミア感を演出できる

ホログラム印刷は、虹のようにキラキラと華やかな色をしており、消費者の目を引きやすい見栄えです。季節限定やプレミアムバージョンの商品に使用すると、他社との差別化が図れます。

ホログラム印刷でプレミア感を演出すれば、商品のブランディングにも役立つでしょう。虹色に輝くホログラム製品をノベルティやおまけにすると、渡した相手に喜ばれやすく、企業のイメージ向上も期待できます

また、ホログラムシールは、商品のパッケージシールやアテンションシールとして消費者の注目を集めるためによく用いられます。ホログラムシールには、ホログラムに色をプラスする加工方法もあり、幅広いラインナップの展開が可能です。

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印刷物の耐久性が高まる

ホログラム加工は、樹脂を表面に塗ったり、フィルムを貼りつけたりする方法が一般的です。

表面に塗ったり貼ったりするホログラム加工の製品は、無加工の製品に比べて耐久力の向上が期待できます。特にフィルムを貼りつける場合は、フィルムの耐水性能により水がかかっても破れにくくなります

例えば、洗剤のように水まわりで使用する製品のラベルや、キャラクターグッズのように愛着を持って長期間使用したい製品などに向いているでしょう。

セキュリティ向上に役立つ

偽造防止やセキュリティ対策としてホログラム印刷を活用すると、高い効果が期待できます。ホログラム加工には専門の技術が必要であり、コピー等では再現は難しいためです。

製品の外箱やラベルシールなどに使用するとブランドの偽造防止が図れます。ブランド製品が偽造されると企業やブランドの信頼度低下につながる恐れがあるため、セキュリティ対策が必要です。

また、新紙幣に使われているホログラムも最新の特殊技術を応用した例のひとつです。お札のホログラムは3Dホログラムの一種で、見る角度を変えると3Dの肖像が回転して見える仕組みになっています。これもホログラムの一種です。

ほかにも、チケットや金券、社員証、証書などに活用する例もあります。オリジナルの柄のホログラムを作成したり、加工を組み合わせることで、偽造やコピーをしにくくすることができます。特殊なホログラムはコストがかかるため、どこまで必要かを見極めることも大切です。
一般的なホログラム加工や素材を使用して他の印刷加工と組み合わせることでセキュリティとして使用されています。

参照:国立印刷局「新しい一万円札について

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ホログラム印刷・加工の種類

ホログラム印刷(ホログラム加工)には種類がありますが、ここでは「ホログラム箔」「トランスタバック」と「ホロラミ」を紹介します

それぞれの印刷・加工方法の違いは、以下のとおりです。

名称特徴
ホログラム箔・ホログラムのフィルム箔を使用して熱圧着等で加工する。
トランスタバック(ホログラム転写)・印刷済みの製品にホログラムを転写する仕組み
ホロラミ(ホログラムラミネート)・印刷した紙をホログラム加工したフィルムでコーティングする仕組み
・加工済のフィルムを貼る方法

これらの加工は印刷物の種類やデザイン、仕上がりによって選択します。ホログラム加工は特殊な設備を必要とするため、加工が可能かどうかは事前に印刷会社に確認することが必要です。

トランスタバックは印刷された製品の上にホログラム加工を施すため、製品全体がキラキラと輝いて人目を引く仕上がりになります。ホロラミには、フィルムを貼りつけるためホログラムの柄が鮮明にみえる、プラスチックにも貼れるといった特徴があります。

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ホログラム印刷を依頼する際のポイント

ホログラム印刷(ホログラム加工)を印刷会社に依頼する際のポイントについて、以下の4つに分けて解説します。

  • イメージに合ったホログラム柄を使用する
  • ホワイトインクの印刷データを用意する
  • 納期とコストに注意する
  • 柄の継ぎ目が気になる場合は事前に相談する

ホログラム印刷をより美しく仕上げるためにも、これらのポイントを押さえて依頼しましょう。

イメージに合ったホログラム柄を使用する

ホログラムには、さまざまな柄(パターン)が用意されています。印刷物の仕上がりを想像し、イメージに合致した柄を選択する必要があります

一般的によくみられるホログラム柄は、以下のとおりです。

  • レインボー柄
  • チェック柄
  • 点描柄
  • 幾何学模様

用意されている柄は印刷会社によって異なり、なかには印刷会社オリジナルの柄もあります。他社と差別化できる製品にするためにも、担当者と相談して慎重に検討しましょう。

ホワイトインクの印刷データを用意する

ホログラム加工を施した素材にそのまま印刷すると、下地が透けてデザインが見えにくくなります。

ホログラム印刷を行う際は、通常のデザインデータのほかに、ホワイトインクと呼ばれる下地のデータを用意する必要があります。デザインの一部にあえてホワイトインクを使わないことで、インクの下にホログラムの輝きがあるため変化に富んだ表現も可能です。

ホワイトインクのデータ作成は、Adobe IllustratorやAdobe Photoshopなどの定番デザインソフトで行います。データ作成の手順はソフトによって異なるため、各ソフトのマニュアルで詳細を確認しましょう。

なお、ホワイトインク用のデータ作成は、印刷会社によって作り方や色の指定が異なる場合がある点に注意が必要です。

納期とコストに注意する

ホログラム印刷は、使用する素材などによっては通常印刷より納期が長くなる場合があります。また、通常印刷より費用がかかる傾向があり、特殊な柄や素材は特に高額になりがちです。ホログラムの素材を選ぶ際は、事前にこれらの点を考慮しておくとよいでしょう。

納期とコストは、素材や印刷物の大きさ、加工の複雑さなどで変わってきます。印刷会社に問い合わせや見積もり依頼をしましょう。

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柄の継ぎ目が気になる場合は事前に相談する

ホログラム素材には、一定間隔で継ぎ目と呼ばれる小さな重なりや隙間が発生します

継ぎ目の原因は、ホログラム作成時に行われるフィルムの継ぎ足しによるものです。完全に継ぎ目を避けて印刷するのは困難ですが、対策として以下の方法があげられます。

  • 多めに制作して継ぎ目のない部分だけ使用する
  • ホログラムの使用を製品の一部分に限定する
  • 柄の継ぎ目のないホログラムを選ぶ

例えば、制作したいものがホログラムシールの場合、1枚ずつにカットすれば継ぎ目のないものだけを用意できます。ただし、納期・コストはその分かさむため、注意が必要です。

印刷会社によっては、継ぎ目が目立ちにくい素材やデザインを提案している場合もあります。継ぎ目が気になる方は対策を相談しましょう。

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まとめ

ホログラム印刷(ホログラム加工)は、キラキラと輝き人目を引く特殊な加工方法です。企業が効果的に使用すればデザインの美しさを上手く引き出し、製品のプレミア感や高級感の演出が可能です。

競合との差別化を図りたい場合や消費者に長く使ってもらいたい場合にも、ホログラム印刷は役立ちます。印刷会社に相談しながら、自社のイメージや戦略に合った製品づくりを進めましょう。

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