「シールをうまく剥がす方法を知りたい」「シール跡のベタベタが残ってしまった」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。シールの剥がし方に関する適切な知識がないと、シールを貼っていた素材を傷つけてしまうリスクがあります。
本記事では、シールを簡単に剥がせない理由やきれいに剥がすテクニック、ベタベタの除去方法などをわかりやすく解説します。シールをスムーズに取り除きたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
シールを簡単に剥がせない理由
シールの粘着剤や素材の性質・状態によっては、簡単に剥がせない場合があります。
シールの粘着剤は対象物にしっかりと固定されるように作られているので、剥がしたあとに粘着部分が残りやすくなります。特に、半永久的な接着を目的としたシールは、粘着力が非常に強力です。
シールが貼られる素材によっても、粘着剤が深く浸透しやすくなります。金属などの硬く滑らかな面に貼ると簡単には剥がせない場合が多いので、注意が必要です。
また、シールが長時間貼り付けられていると、その粘着材が時間とともに劣化し、取り除くのが難しくなります。紫外線や低温・低湿度の環境なども、粘着剤の劣化を早める要因です。
シールをきれいに剥がす方法
まず、シールをきれいに剥がすために実践したい方法は、下記の5つです。
- ヘアドライヤーで温める
- 水でふやかす
- 中性洗剤を塗る
- 除光液を振りかける
- シール剥がし剤を活用する
シールには指で剥がす以外にも、専用のヘラを使う剥がし方もあります。ただし、ヘラで素材に傷をつけないよう注意が必要です。
また、ここで紹介する剥がし方はいずれも有効な方法ですが、長期間の貼り付けを目的としたシールを含め、あらゆるシールをきれいに剥がせるわけではありません。
シールを無理に剥がすと素材に影響を与えてしまう可能性もあるため、十分注意して試しましょう。
ヘアドライヤーで温める
ヘアドライヤーを使用し、温めながらシールを剥がす方法が効果的です。熱風でシールを温めると接着剤が柔らかくなり、シールを簡単に剥がせるようになります。
具体的には、シールの端を少し持ち上げてから、その部分にヘアドライヤーの熱風を当てていきます。
なお、素材を水で濡らせない場合に効果的な方法ですが、耐熱性でないガラスやプラスチック、革など、熱に弱い素材には使用しないように注意してください。
水でふやかす
シールを水で湿らせて剥がす方法も有効です。霧吹きで水を吹きかける、あるいは水に浸すと、粘着力が弱まりシールを剥がしやすくなります。
特に木材の場合、中性洗剤などを用いてシールを剥がそうとすると変色や傷みのリスクがあるため、水によるシール剥がしが効果的です。
中性洗剤を塗る
台所用の中性洗剤を利用して、シールを剥がす方法もあります。
洗剤を直接シールに塗り、ラップで覆ってしばらく放置すると、洗剤に入っている界面活性剤によって粘着剤が弱まります。その際、20分程度置くと洗剤が浸透しやすくなり、より効果的です。
使用後は水を含んだふきんなどを用いて、洗剤が残らないようにしっかりと拭き取ることが重要です。また、洗剤に弱い素材には使用しないように注意しましょう。
除光液を振りかける
有機溶剤が含まれる除光液もシールの粘着力を落とす効果があるため、シール剥がしに利用できます。
除光液をシールにかけて、そのまま10分程度待ってから剥がすと効果的です。その際、コットンやティッシュなどに除光液を染み込ませて、シールに乗せる方法もあります。
ただし、除光液は素材の変色や傷みの原因になるので、家具や食器など気になる場合には使用を避けましょう。また、臭いなどにより体調が悪くなることがあるため、使用する際には必ず換気をしてください。
シール剥がし剤を活用する
市販されているシール剥がし剤を使用する方法も、選択肢の一つです。剥がし剤が粘着剤を溶かすことで、シールの粘着力が落ちていきます。剥がし剤は、ホームセンターの雑貨や清掃用具の売り場などで手軽に購入可能です。
剥がし剤を使用する前に、カッターなどでシールに切り込みを入れておくと、剥がし剤の成分がシールに浸透しやすくなり効果的です。シールを貼った場所ごとに使い分けられるよう、スプレータイプやハケタイプなど、さまざまな商品があります。
ただし、剥がし剤は素材によっては傷や変色を発生させる恐れがあるため、特にプラスチックや木材への使用は慎重に検討しましょう。また、除光液と同様に、十分に換気をして使用してください。
シール跡のベタベタの取り方
シールを剥がす際によく起こる失敗は、シールは剥がれたものの、粘着剤が取れずベタベタした状態になることです。ベタベタが残る主な理由として、粘着剤が安価、強力な粘着性、長期間の使用による硬化などが考えられます。
残ったベタベタの取り方は、下記の3つです。
- ガムテープ・セロハンテープで叩く
- 消しゴムでこする
- メラミンスポンジを用いる
ほかにも、すでに説明したシール剥がし剤やドライヤーを使う剥がし方も効果的です。
ガムテープ・セロハンテープで叩く
代表的なベタベタの取り方は、粘着剤が残った部分に新しいテープを貼り付け、叩くように剥がす方法です。シールよりテープの粘着力が高いと、剥がせる可能性があります。
簡単に試せる方法ですが、シールの粘着力が高いと何度やっても効果が出ない傾向にあります。ベタベタの状態が変わらない場合は、ほかの方法も試してみましょう。
消しゴムでこする
粘着剤が残ったベタベタの部分を、消しゴムでこすって落とす方法があります。消しゴムでこするだけのため、水や洗剤を使えない場所でも実施可能です。
ただし、シールの粘着力が強い場合はベタベタを広げてしまう恐れがあります。また、手で小さい消しゴムを使ってこするため、広範囲では時間がかかる点にも注意が必要です。
メラミンスポンジを用いる
水で湿らせたメラミンスポンジ(研磨剤が入ったスポンジ)を用いて、粘着剤を落とす方法もあります。軽い力で円を描くようにこするだけで、ベタベタを取れる可能性があります。
なお、メラミンスポンジを使うと研磨力で素材を傷つけるリスクがあるので、事前に狭い範囲で試してみましょう。木材やプラスチックなど、傷が気になる場合には使用しない方が無難です。
シールを剥がす方法以外に知っておきたいこと
もし剥がすことを前提としたシールを作成・使用する機会がある場合、剥がしやすいシールを選べば、シールを剥がす手間が省けます。例えば、イベントやキャンペーンなど一時的な使用の場合や、素材を傷つけたくない場合に便利です。
ここでは、剥がしやすいシールの選び方と、再剥離シールを解説します。
粘着剤や素材によっては剥がしやすいシールがある
粘着力の弱いシールは、剥がしたあとに残留物がほとんど残らず、きれいに剥がせる特徴があります。該当するシールは「微粘着」や「弱粘着」などと表示されているものです。
ただし、粘着力が低いため、使用中に剥がれやすくなるリスクもあります。事前にシールの貼付期間や使用条件を確認することが重要です。
また、フィルム素材は紙素材よりも裂けにくいため、簡単に剥がせる傾向があります。フィルム素材には、以下のようなものがあります。
- 紙に近い質感で、価格が比較的安めの合成紙(ユポなど)
- 伸縮性があり、曲面にも貼れるPP素材
- 透明や金色・銀色など、デザインの幅が広いPETフィルム
耐久性とデザイン性を両立できるフィルム素材のシールを検討してみましょう。
剥がす前提の再剥離シールがある
再剥離シールとは、一定期間貼ったあとに剥がすことを前提として制作されたシールです。特殊な粘着剤を使用しているため、剥がした際に表面を清潔に保て、残留物が残りにくい性質があります。
具体的には、ノート類や文具、雑貨などに添付される価格やサイズ情報のシールは、購入後に剥がす前提のため、再剥離シールがよく使われています。
ほかにも、壁紙・家具・電子機器などに貼るシールや、プライバシーシールなどが主な使用例です。一時的な目印や目隠しとして使えるだけでなく、跡がつきにくいので、価値が高いものにも貼りやすいといえます。
再剥離シールは、通常のシールと同様にオリジナルで制作できます。デザインにこだわった再剥離シールが必要な場合には、印刷会社へ相談してみるのもよいでしょう。
まとめ
シールの適切な剥がし方は、素材を傷つけずスムーズに作業を行うための重要な知識です。
シールをうまく剥がすには、ヘアドライヤーで温める、水でふやかすなどさまざまな対処法があります。また、一時的な使用を目的としたシールなどの場合には、粘着力の弱いシールや再剥離シールなどを採用するのも効果的です。
本記事で紹介した方法を実践して、シール剥がしの悩みを解消しましょう。