アクリルスタンドは、個人の推し活グッズだけでなく、企業のノベルティや販促品として注目されているツールです。自社ならではのオリジナル性の高いアクリルスタンドによって、高いマーケティング効果を狙えます。
本記事では、アクリルスタンドをノベルティにするメリットや制作のポイント、成功事例などを詳しく解説します。
オリジナルのおしゃれなアクリルスタンドを制作して、自社の認知度向上やファン層獲得を目指しましょう。
アクリルスタンドとは

アクリルスタンド(アクスタ)とは、透明樹脂であるアクリルにデザインを印刷し、台座に差し込んで自立させるグッズです。
アクリルスタンドは、もともと漫画やアニメ、ゲームの二次元キャラクターを描いたグッズとして販売されていました。近年では、アイドルや芸人などの推し活グッズ、さらには企業のノベルティや商品特典など、幅広い用途で普及しています。
素材のアクリルは軽くて割れにくく、ガラスに近い透明感が特徴で、卓上での見栄えが良くなります。ダイカット加工(輪郭カット)によって、キャラクターなどの形やシルエットに沿って自由な形状に仕上げられる点が強みです。
サイズは5〜15cm程度といった小ぶりが主流で、台座込みでも軽量であるため、配布や持ち歩きがしやすいアイテムです。自社のイベントに持ち込んで飾ると、案内表示やサインとしても機能します。

アクリルスタンドをノベルティにするメリット

アクリルスタンドをノベルティにする主なメリットには、以下があげられます。
- 視覚的なインパクトで自社を強く印象づけられる
- デザインの自由度が高く他社と差別化しやすい
- 配布先やターゲットを選ばず幅広く活用できる
企業のノベルティとしては、展示会やキャンペーンでの来場記念、購入特典、グッズ配布などに活用されます。それぞれのメリットを詳しく説明します。
視覚的なインパクトで自社を強く印象づけられる
アクリルスタンドをノベルティにすると、配布した顧客に対して自社の印象を残しやすくなります。見た目に立体感や透明感があり、ほかの平面のノベルティ(ステッカーなど)よりもインパクトを与えられるためです。
アクリルスタンドは、本体と台座をブランドロゴやキャッチコピーなどでデザインして、視覚的な訴求を強化できます。顧客の目に繰り返し触れることで好感度が高まる「ザイオンス効果」(単純接触効果)も期待できます。
また、スマホの縦画面で撮影しやすいため、SNS投稿で拡散されてマーケティング効果が向上しやすい点もメリットです。
デザインの自由度が高く他社と差別化しやすい
アクリルスタンドはダイカット加工で自由な形状に仕上げられるため、キャラクターやロゴの印象をそのまま再現できます。デザインはもちろん、形状やサイズ、印刷方法でバリエーションも出せるので、他社との差別化が可能です。
また、台座の裏面や隠れた部分にメッセージやシリアルナンバーを入れるなど、遊び心を加えた設計もできます。シールやトートバッグといった他のノベルティと組み合わせて、ユニークなノベルティのセットで配布する方法も効果的です。

配布先やターゲットを選ばず幅広く活用できる
アクリルスタンドは軽量で持ち運びやすいため、イベントや展示会の手土産としてかさばらず、顧客に配りやすいアイテムです。
デザインは、キャラクター主体からロゴのみのものまで幅が広げやすく、ターゲットの年齢層や性別に合わせて制作できます。デスクや書棚、車内など、さまざまな場所へ手軽に設置しやすいため、もらった顧客が困る可能性も抑えられます。
アクリルスタンドのノベルティを制作するポイント

アクリルスタンドのノベルティを制作するポイントには、以下があげられます。
- 配布する目的や狙いを明確にする
- 目的に合ったサイズやタイプを選ぶ
- 自社を象徴するデザインを制作する
- 入稿データのルールを守り品質を担保する
アクリルスタンドは自社でも制作できますが、印刷や加工などのハードルは高めです。ノベルティとして頻繁に活用する場合、印刷会社への依頼も選択肢のひとつです。自社では難しい、細かいカットや繊細な印刷にも対応できます。
各制作のポイントを詳しくみていきましょう。
配布する目的や狙いを明確にする
まずは、アクリルスタンドのノベルティを制作・配布する目的を明確に定める必要があります。求める効果によって、適切な仕様やデザイン、配布方法が異なるためです。
例えば、目的に応じて以下のようにデザインを制作すると効果的です。
| 目的 | デザインの例 |
| 展示会で配布して新規顧客を獲得 | ロゴや商品写真を大きく印刷し、名刺代わりになる小型スタンドを制作する |
| ファン層の育成やブランディング | キャラクターや商品のモチーフなど親しみやすいデザインを用いて、SNSでの拡散を促す |
| イベントへの来場誘導 | 会場限定・日付入りのデザインにして「現地でしか手に入らない価値」を演出する |
このように、顧客の立場になって刺さりやすいデザインの方針を決めましょう。
目的に合ったサイズやタイプを選ぶ
アクリルスタンドを制作する際、配布用途に応じて最適なサイズやタイプを選択すると、ノベルティの効果を向上させられます。
例えば、大量配布型のノベルティは、名刺やはがきと同じサイズの小型タイプが主流です。軽量でコストを抑えられ、来場者全員に配りやすいメリットがあります。
一方、店舗キャンペーンや購買特典では、10〜20cm程度の中型サイズがおすすめです。机や棚に飾れるサイズ感で、企業ロゴやキャラクターをしっかり見せられます。
また、1枚のアクリル板を溝に差して固定する一般的な構造だけでなく、台座がバネで動くものや、複数のアクリル板を重ねて作る仕様もあります。
そのほか、包装の仕様(OPP袋(※)や化粧箱など)も全体の印象に影響する点は押さえておきましょう。
※防湿性に優れたコシのある透明な袋
ノベルティの選択肢を広げるソリューションとして
「もっとコストを抑えたい」、「付録にできるように薄いものがいい」などの要望がある場合は、ノベルティ制作の選択肢として、本物のアクリルスタンド以外にも、「アクリルスタンド風」のアイテムも検討の余地があります。アクリルスタンドより薄い素材を使用して作成するため、用途を広げることが可能です。
自社を象徴するデザインを制作する
アクリルスタンドは、単なる配布物ではなく、自社ブランドを象徴する広告としてデザインする必要があります。ロゴやコーポレートカラー、ブランドメッセージを盛り込んだ、自社を想起できるようなデザイン制作が基本です。
キャラクターや商品のシルエットを使う場合は、ブランドのイメージに沿った表情や見せ方を意識し、ファンが共感できるデザインに仕上げましょう。
また、ノベルティをシリーズ展開する場合は、季節やイベントごとにデザインを変えることで、コレクション要素を持たせ、再来訪や購買の意欲を喚起できます。
入稿データのルールを守り品質を担保する
アクリルスタンドをきれいに仕上げるには、入稿データ(印刷会社に渡すデザインファイル)の作り方も重要です。データに不備があると、色味のズレなどの印刷ミスが発生する原因になります。
入稿データは「Adobe Illustrator」や「Adobe Photoshop」などのデザインソフトで作成するのが一般的です。印刷会社が用意している見本データを参考にすると、トラブルを防ぎやすくなります。
カットする部分には 「カットライン」(アクリルを切るための線)を引く必要があり、デザインと分けて管理します。線は必ず閉じた形(つながった線)で作成し、切り抜きミスを防ぎましょう。
また、印刷面を透けないようにするには 、白インキの層を別レイヤーで作成します。これがないと、透明アクリルの上では色が薄くなったり透けたりしてしまうためです。
こうした細かい注意点を印刷会社によく確認してから、デザイン制作に着手するとよいでしょう。
アクリルスタンドをノベルティにした成功事例

アクリルスタンドをノベルティにした成功事例として、まるか食品株式会社のペヤングソースやきそば超大盛のアクリルスタンド封入キャンペーンを紹介します。
同社は発売20周年記念として、パッケージ内に「ペヤングオリジナルアクリルスタンド」を期間限定で封入しました。デザインの種類は全3種で、1商品につき1種類をランダムで封入する方法です。
キャンペーンはパッケージ上や店頭では触れず、公式サイト・SNSのみで告知したことがかえって話題になり、売上向上につながりました。
商品にコレクション要素を持たせたノベルティを封入し、販促に成功した好事例です。
参照:まるか食品株式会社「ペヤングソースやきそば超大盛20周年記念 プレゼント封入キャンペーンのお知らせ」
まとめ

アクリルスタンドをノベルティとして活用すると、顧客に対して強い印象を残し、自社やブランドの認知度向上やファン層拡大を目指せます。デザイン制作の際には、目的を明確にした上で、もらう側の立場に立って絵柄やサイズを選ぶことが重要です。
自社だけでの対応が難しい場合は、アクリルスタンドの制作実績があるデザイン会社や印刷会社に相談するとよいでしょう。

