「パンフレットの作り方や印刷方法がわからない」「宣伝に効果的なデザインのコツを知りたい」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
効果的なパンフレットを作成するためには、ターゲットの分析やデザインの技術、印刷方法の理解などが不可欠です。
本記事では、パンフレットの概要や作り方の流れ、目を引くデザインのコツなど、パンフレットに関する基礎知識をわかりやすく解説します。
自社の認知度向上やブランディングにつながるパンフレットを作れるよう、ぜひ参考にしてください。
パンフレットとは

一般的にパンフレットとは、複数の紙を折って重ね、真ん中を針金などで留めた印刷物を指します。英語で小冊子を意味する「Pamphlet」に由来し、情報を一目で伝えるビジュアルコミュニケーションのツールとして、多くの企業や団体が活用しています。
企業や団体がパンフレットを作成する主な目的は、以下の3つです。
- 広く配布して組織の認知度を高める
- 商品やサービスの特徴、イベントの詳細などを紹介する
- 求人や採用のために組織の魅力を伝える
なお近年では、紙媒体のパンフレットに加え、インターネットで閲覧可能なデジタルパンフレットも広く普及しています。デジタルパンフレットは、紙媒体に比べて保管コストを削減でき、変更や修正が容易な点が魅力です。
一方で、紙ならではの手触り感やインパクトから、印刷したパンフレットの人気も根強いです。
パンフレットとリーフレット・チラシの違い
パンフレットとリーフレット、チラシは、構成や用途に違いがあります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。
種類 | 特徴 |
パンフレット | ・主に複数の紙を綴じて制作する印刷物 ・数ページ・数十ページの構成で、情報量が多い場合に便利 ・製本はされていないが、綴じているので一定期間保存できる |
リーフレット | ・一枚の紙を折って使用する印刷物 ・コンパクトかつ手軽に読める ・イベントなどで持ち帰ってほしい場合に効果的 ・イベントの案内や特定のキャンペーン情報の伝達などに使用する |
チラシ(フライヤー) | ・一枚の紙を折り曲げずに使用する印刷物 ・短期間のイベント告知やセールスプロモーションなどの大量配布に使用 |
ただし、上記はパンフレットとリーフレットを明確に区別するときの整理であり、印刷会社によって考え方が異なる場合があります。実際には、後述する折りパンフレットのように、一枚の紙を折ってパンフレットとして扱うケースも少なくありません。
印刷を依頼する際には、呼び方だけにとらわれず最終形態を具体的に確認すると、イメージ通りの仕上がりになるでしょう。
パンフレットの種類
企業や団体が作成するパンフレットの主な種類は、以下のとおりです。
種類 | 用途 |
会社案内 | 顧客や取引先に対して、企業の理念や歴史、主要な事業内容などを紹介する |
商品・サービス紹介 | 顧客に対して、商品・サービスの概要や特徴、使用方法、価格などを紹介する |
採用パンフレット | 求職者に向けて、企業の職場環境や魅力、求める人材、提供するキャリアパスなどを紹介する |
広報誌 | 顧客や地域住民に向けて、自社の地域活動やCSRの取り組みなどを紹介する |
ほかにも、学校・学園案内、病院・医療機関案内のパンフレットなど、組織に応じて種類はさまざまです。
効果的なパンフレットの作り方

効果的なパンフレットの作成には、明確な戦略や創造的なデザインが必要です。
具体的な作り方は、以下のとおりです。
- 目的に合ったターゲットを明確化する
- パンフレットの中身を決める
- デザインデータを作る
- 綴じ方・折り方を選ぶ
- 印刷する用紙を決める
- 印刷方法の種類を決める
それぞれのポイントを詳しく解説します。
目的に合ったターゲットを明確化する
まずはパンフレットの目的に応じて、ターゲットや方向性を決める必要があります。方向性が曖昧だと、ターゲットに刺さるものにはなりません。
パンフレットの目的として、商品の販売促進やイベントの告知、企業情報の提供などを明確にしましょう。特にマーケティングの場合には、ターゲットの年齢や性別、職業、趣味、購買行動などの情報を収集し、分析する必要があります。
また、競合他社がターゲットにしている顧客層を分析し、自社のパンフレットがどのように差別化できるかを検討します。既存の顧客からのフィードバックや市場調査を通じて、顧客がどのような情報に価値を見出しているかを探るのも効果的です。
その際、伝えるべき主要なメッセージや価値観が、組織のアイデンティティと一致するかの確認も重要といえます。
パンフレットの中身を決める
ターゲットが決まったら、パンフレットに盛り込むべき中身を決定していきます。
まずは掲載すべき情報のリストアップを行います。例えば商品パンフレットであれば、商品やサービスの特徴、利用方法、問い合わせ先などです。
文章だけでなく、写真や図表なども組み合わせてわかりやすく表現する必要があります。情報過多になるとかえって伝わらなくなるので、ターゲットをイメージして真に必要な情報を厳選することが重要です。
デザインデータを作る
パンフレットのデザインデータとして、自社の印刷データ、あるいは印刷会社への入稿データを作成する必要があります。
自社でのデザイン作成は、Microsoft PowerPointやMicrosoft Wordなどで対応可能です。基本的なテンプレートを使用すれば、慣れていない方でも比較的簡単に扱えます。
より高度なデザインが必要な場合は、CanvaやAdobe Illustratorなどのデザインソフトを利用するのも選択肢の一つです。
ただし、印刷会社によっては入稿データの形式やソフトを指定される場合があります。事前に確認してからデータ作成を行うようにしましょう。
また、デザインや印刷の質をさらに高めたい場合、専門のデザイン会社や印刷会社に委託するのもよい方法です。依頼する際には、パンフレットのターゲットやコンセプト、期待する効果などを事前に伝えることが重要になります。
綴じ方・折り方を選ぶ
パンフレットのデザインデータと併せて、紙の綴じ方・折り方を選ぶ必要があります。
パンフレットの代表的な綴じ方は、複数の用紙をセンターで半分に折って針留めをする「中綴じ」です。ページ数が多い場合には、針で留めにくいため、折った用紙の背をノリで貼る「無線綴じ」もあります。
また、1枚の紙を用いる「折りパンフレット」の場合は、よく使われる以下のような折り方があります。
種類 | 特徴と用途 |
二つ折り | ・用紙をセンターで半分に折る折り方 ・情報をコンパクトに盛り込みたいときにおすすめ |
三つ折り(巻三つ折り) | ・用紙を三等分にたたむ折り方 ・一般的な折り方で、多種類の情報を盛り込める |
観音開き | ・用紙を四等分にして、両端を内に折って、さらに真ん中で二つ折りする折り方 ・中央のページでインパクトを与えられる |
ほかにも多くの折り方があり、呼び方も印刷会社によって異なる場合があります。定型の折り方以外にも、「デザインに応じて希望する位置で折る」といった対応も可能です。
個性的な折り方でインパクトを与えたい場合は、印刷会社に相談するとよいでしょう。
印刷する用紙を決める
パンフレットの用紙はデザインの印象を大きく左右するため、慎重に選ぶ必要があります。
パンフレットによく使われる用紙は、以下のとおりです。
種類 | 特徴と用途 |
上質紙 | ・一般的なコピー用紙のような質感の素材 ・シンプルな素材のため、テキストが中心のパンフレットに適している |
コート紙 | ・両面に光沢があり色鮮やかな印刷が可能で、高級感がある ・写真やイラストを豊富に使うパンフレットに適している ・ボールペンなどでの書き込みがしにくい |
マット紙 | ・光沢はコート紙より少なく、マットな質感で落ち着いた印象の素材 ・写真やイラストの再現性が高く、かつ文字の書き込みもできる |
用紙は、パンフレットの目的やデザインに合ったものを選択しましょう。
印刷方法の種類を決める
適切な印刷方法の種類は、パンフレットの必要部数や更新の頻度などによって変わってきます。
大量配布する機会が多いパンフレットには、印刷版を用いるオフセット印刷が用いられやすいです。印刷のロット数が多いと、コストパフォーマンス高く印刷ができます。
一方で、少量や多種類の場合には、デジタルデータを印刷するオンデマンド印刷(デジタル印刷)が適しています。例えば、小規模なイベントの案内や、キャンペーンの告知など定期的にカスタマイズが必要な場合などに効果的です。
ほかにもさまざまな印刷方法があるため、必要に応じて印刷会社へ確認するとよいでしょう。

目を引くパンフレットデザインのコツ

効果的なパンフレットには、視覚的に魅力のあるデザインが不可欠です。ここでは代表的なコツとして、デザインの配色と盛り込む情報の配置を紹介します。
パンフレットの表紙などのデザインは、与えたい印象に合わせて色を選びましょう。例えば、赤は強いインパクトがあるため、強調させたい情報の付近で用いると注目を集める効果があります。
その際、全体のバランスはベースカラー70%、メインカラー25%、アクセントカラー5%を配分の目安にすると、メリハリのあるデザインになります。
また、パンフレットのなかでも重要な情報は特に目立つ位置に配置させて、情報のかたまりごとに整理するのがポイントです。その際、読み手の意識を集中させるために、あえて余白を設けるのも効果があります。
配色や情報の配置にこだわり、ユーザーの目を引く素敵なパンフレットを作成しましょう。

まとめ

パンフレットは、自社の認知度向上やブランディング、商品・サービスの紹介など、さまざまな目的で作成します。
効果的なパンフレットを作成するためには、まず目的とターゲットを明確にし、必要な情報を選定する必要があります。また、紙の綴じ方・折り方や印刷する用紙などにこだわり、ターゲットに合ったデザインを検討することが重要です。
本記事を参考に、組織の成長につながる宣伝効果の高いパンフレットを作成しましょう。