会社パンフレットのデザイン制作ガイド!自社の魅力を伝えるコツとは?

会社パンフレットのデザイン作成

会社パンフレット(会社案内)は、企業や商品・サービスの魅力を伝えるための有効なツールです。一方で、効果的な会社パンフレットにするためには、見やすくわかりやすいデザイン制作が求められます。

本記事では、会社パンフレットの概要やデザイン制作のコツ、自社制作と外注の違いについてわかりやすく解説します。

自社の魅力を存分に表現できるパンフレットの作り方を把握して、ブランディングや売上向上につなげましょう。

目次

会社パンフレット(会社案内)とは

会社パンフレット(会社案内)とは、自社の概要や特徴、提供する商品・サービスなどを伝え、認知度の向上や成長につなげるためのツールです。

会社パンフレットを作る主な目的には、以下が挙げられます。

  • 自社のブランディング
  • 商品・サービスの営業や販売促進
  • 採用活動の強化
  • 取引先や株主へ向けた広報活動

会社パンフレットは、情報発信だけでなく、会社の名刺としての役割も持つものです。優れたデザインのパンフレットにより、会社の信頼感が高まり、売上や投融資の拡大につながる可能性も考えられます

また、紙の会社パンフレットはデジタルコンテンツを補完する役割もあるため、公式サイトがあっても必要なものです。紙媒体として手に取って見るため、内容が記憶に残りやすく、QRコードとの連携などで公式サイトへの流入も期待できます。

会社パンフレットのデザイン制作のコツ

会社パンフレット(会社案内)のデザイン制作のコツは、以下のとおりです。

  • 目的とターゲットを明確にする
  • 盛り込む情報と構成を考え抜く
  • 目的に合わせた仕様を決める
  • 一目で伝わるレイアウトを意識する
  • イメージに合う色を選ぶ
  • 誤字・脱字や色味を入念にチェックする

デザイン制作の流れに沿って、会社パンフレットの作り方を詳しく説明します。

目的とターゲットを明確にする

会社パンフレットのデザイン制作を始める際には、まず目的とターゲットを明確にします。

目的やターゲットに応じて適切なデザインや仕様が変わるため、これらが不明確なままだと会社の魅力が十分に伝わりません

例えば、ブランディング目的の会社パンフレットは、企業理念や価値観、目指す未来が伝わる構成やデザインが効果的です。

一方で、営業・販促用の会社パンフレットは、使用する場面やタイミングを考慮しつつ、商品・サービスの魅力を全面に出すデザインにすると売上向上につながります。

そのほか、採用活動で用いる会社パンフレットは、求める人材を具体的にイメージし、求職者のニーズやリテラシーに合わせた表現を心がけることが重要です。

盛り込む情報と構成を考え抜く

会社パンフレットに盛り込む構成要素は、大きく分けると以下のとおりです。

構成要素概要
企業理念・会社パンフレットの導入にあたる
・創業者・代表者の考え方や会社の存在意義を伝える
・300~600文字程度にまとめると読みやすい
事業内容・会社パンフレットのメイン
・提供する商品・サービスの魅力を具体的に伝える
・主要な事業の特徴や他社との違いをアピールする
・画像や図表などを用いて視覚的に伝える
会社概要・会社のプロフィールにあたる
・社名・所在地・連絡先・代表者名・設立年月日・事業内容・主要取引先・資本金などを記載する
・必要な情報のみをわかりやすく伝える

会社パンフレットの制作を外注する場合でも、上記のような構成や内容は社内でしっかり整理する必要があります。文章の組み立てやキャッチコピーはライター・デザイナーなどに任せられるものの、社風や事業のコンセプトは従業員でなければわからないためです。

会社パンフレットのターゲットにとって必要な情報がほかにあれば、適宜構成に入れましょう。ただし、情報が多すぎるとかえって伝わりにくいため、必要な項目を絞り込むのがおすすめです。

目的に合わせた仕様を決める

会社パンフレットの構成を決めたら、目的に合わせて仕様を決めます。

よく使われる仕様は、以下のとおりです。

仕様概要
中綴じ・複数の紙を折って中央をホチキスなどで留める一般的な仕様
・ボリュームのあるパンフレットに向いている
・自社の詳しい紹介や採用パンフレットによく用いられる
折加工・紙を二等分や三等分に折り曲げて作成する仕様
・情報量を絞ったパンフレットに向いている
・会社概要のみをまとめた簡易的なパンフレットに用いられる
ポケットファイル
(ポケットホルダー)
・表紙または裏表紙の内側にポケットがある
・別の資料や名刺などを入れて持ち帰れる
・加工のコストがかかる

会社パンフレットのボリュームや予算も考慮しつつ、適切な仕様を選びましょう。

一目で伝わるレイアウトを意識する

会社パンフレットの仕様を決めたら、各ページのレイアウトを考えます。レイアウトは、以下の技法を活用すると読みやすく仕上がります。

技法概要
近接・関連する情報を一ヶ所にまとめる
・まとめた情報ごとに余白を設けると、内容を把握しやすくなる
整列・関連する内容の文章や画像の位置などを揃える
・左揃え・中央揃え・右揃えなどの整列機能を活用する
・整列は一定のルールに沿って行う
反復・見出しや本文などは同じ色や体裁で揃える
・ページの中で統一感を持たせると、散漫にならず読みやすくなる
コントラスト・色や大きさにメリハリをつけて、一目で情報が伝わるようにする
・特に重要な部分を赤色や太字で目立たせる

散漫なデザインだと、見る人が途中で疲れて読むのを止めてしまう可能性があります。情報を整理し、優先度に合わせて強弱をつけるのがレイアウトのコツです。

自社のイメージに合う色を選ぶ

会社パンフレットの制作では、会社のイメージや商品に合わせた色選びも重要です。例えば、赤は活気・温かさ、青は信頼感・知性、緑は自然など、色から連想される固有のイメージがあります。

配色は、背景となるベースカラーを約70%、主役のメインカラーを約25%、アクセントカラーを約5%の割合にすると、読みやすさとインパクトを両立できます。

その際、会社や商品の魅力を伝えるコーポレートカラーを設定し、会社パンフレットのメインカラーに用いるのも効果的です。ベースカラーやアクセントカラーは、コーポレートカラーを引き立てる色を選ぶと、統一感のあるデザインになります

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印刷する素材と加工方法にこだわる

次に、会社パンフレットの目的や使用シーンに合わせた用紙や加工を選びます。

会社パンフレットでよく使われるのは、光沢のあるコート紙やマットコート紙です。いずれも写真の再現性が高く、営業・販促目的の会社パンフレットによく用いられます。

マットコート紙はコート紙より光沢が少ないものの、メモ書きを比較的しやすいため、会社説明会用のパンフレットにおすすめです。

また、紙の表面を樹脂液でコーティングする「ニス引き加工」を用いると、パンフレットの耐久性が高まります。紙に凸凹を作る「エンボス加工」や、金・銀の箔を圧着させる「箔押し加工」を取り入れて、表紙・裏表紙のデザインに変化をもたせるのも効果的です。

◀︎ニス加工を部分的に使用したパンフレット
表紙の一部分にニスを入れ、部分的に光沢のあるデザインになっている。

ほかにも用紙や加工には多くの種類があるため、印刷会社と相談しながら最適なものを選ぶとよいでしょう。

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誤字脱字や色味を入念にチェックする

会社パンフレットのデザインが完成したら、印刷する前に誤字脱字や色味のチェックが必要です。

印刷後に不備が見つかると、刷り直しに多大なコストがかかります。見る人によって気づくポイントが違うため、複数人でチェックして見落としがないようにしましょう。

また、モニターに表示される色と実際に印刷される色には差があります。そのため、印刷会社に依頼する場合には、色味を事前に確認できる「色校正」を行うと、イメージとの齟齬を防げます

特にメインの写真やコーポレートカラーはパンフレットの印象を大きく左右するため、印刷前にチェックしましょう。

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会社パンフレットのデザイン制作は自前と外注どちらがよい?

会社パンフレット(会社案内)のデザイン制作は、デザインソフトなどにあるテンプレートを活用すれば自社でも対応可能です。

自前であれば、外注費や外部との打ち合わせの時間を削減できる点がメリットです。使用する頻度や範囲が限定されるパンフレットであれば、自前が望ましい場合もあるでしょう。

しかし、会社パンフレットは企業の顔ともいえるものであり、質の低いパンフレットは、会社の信頼性を損なうリスクもあります

デザイン会社や、デザイン制作も可能な印刷会社に依頼すると、一定のコストはかかるものの、自社の魅力を最大限引き出す仕上がりが期待できます。社外の視点を取り入れた結果、自社の新たな強みを発見できるケースもあるようです。

また、ポケットファイルや特殊加工など印刷に関する工夫は、印刷会社ならではの強みです。使用する機会の多い重要な会社パンフレットであれば、外注も検討するとよいでしょう。

まとめ

会社パンフレット(会社案内)は単なる情報発信にとどまらず、自社の信頼感を高めて成長につなげる効果があります。

デザイン制作においては、目的やターゲットを明確にし、必要な情報をわかりやすく伝える工夫が重要です。自社にとって重要な会社パンフレットの制作は、デザイン会社や印刷会社に依頼すると、より効果的なものに仕上がる可能性が高まります。

本記事を参考にして、費用対効果の高い会社パンフレットを制作しましょう。

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