AR印刷とは?仕組み・メリット・活用方法をわかりやすく解説

AR印刷とは、スマホやタブレットで印刷物をスキャンすると、多様なデジタルコンテンツを表示できる手法です。従来の静的な印刷物に動的なコンテンツを加えることで、ユーザー体験を拡張でき、高いマーケティング効果が期待できます。

本記事では、AR印刷の仕組みや導入のメリット、具体的な活用方法、依頼するポイントなどをわかりやすく解説します。

自社の売上向上やブランディング強化につながる印刷物を制作できるよう、ぜひ最後までご覧ください。

目次

AR印刷とは

AR印刷とは、印刷物にAR技術を取り入れて、スマホやタブレットで紙面をスキャンするとデジタル情報を表示できる手法です。ARは「Augmented Reality」の略で、存在しない視覚情報を現実世界に表示する「拡張現実」を意味します。

AR印刷では、デジタルコンテンツが紙面上に重ねて表示されて、紙媒体とデジタルがシームレスに結びつきます。動画、3Dモデル、サイトリンクなど豊富な情報を提供可能であり、広告やブランド体験の深化に役立つ印刷方法です。

身近な例として、スターバックス・コーヒー・ジャパンは、季節ごとの商品にAR印刷を取り入れています。春のカップやスタバカードにスマートフォンのカメラを向けると、満開の桜の木やオリジナルキャラクターが印刷物と一体となって表示されます。

参照:STARBUCKS STORIES JAPAN「プレスリリース

AR印刷の仕組み

AR印刷は、紙面に印刷されたトリガー(ARマーカーやQRコード)をカメラで認識させることで、デジタル情報を表示する仕組みです。

ARマーカーとは、多様なデジタルコンテンツを呼び出すために印刷する画像やコードです。ウェブサイトへの誘導を主な目的とするQRコードとは異なりますが、QRコードを読み取るだけでARが起動する手軽な仕組みも普及しています。

カメラの認識には、専用のARアプリを使う方法と、ブラウザへのアクセスのみでコンテンツが表示される「WebAR」という方法があります。アプリは機能性が高く複雑な表現に向く一方で、「WebAR」はアプリのダウンロードが不要で手軽にできる点が特徴です。

AR印刷を導入するメリット

AR印刷を導入する主なメリットには、以下の2つがあります。

  • 紙面のみでは難しい情報量や体験を提供できる
  • 効果測定でユーザーの動向を可視化できる

メリットを把握すれば、自社のマーケティング活動にAR印刷が必要かどうか、具体的に検討できるようになります。それぞれ詳しくみていきましょう。

紙面のみでは難しい情報量や体験を提供できる 

AR印刷を活用すれば、紙面における文字や画像のスペースの制約を超え、動画や3Dモデル、音声などの情報を追加できます

多様な情報により、商品に対するユーザーの理解が深まり、購買意欲の向上につながります。例えば、時期や時間によって表示するキャンペーン動画を差し替えるなど、コンテンツの柔軟な変更も可能です。

また、現実世界にデジタル情報を重ねる没入感により、エンターテインメント性が加わり、ブランドへのファン化やSNSでの拡散も促進できます。

効果測定でユーザーの動向を可視化できる

AR印刷を活用すると、どのコンテンツがどれだけ閲覧されたかなどのアクセスログを収集でき、マーケティング施策の改善に役立ちます

印刷物の種類ごとに異なるARを設定すれば、反応率の詳細な比較・検証が可能です。例えば、配布エリアごとに表示する動画を変えて、ニーズの違いを定量的に把握するといった運用が考えられます。

また、ARで表示されるマニュアルの閲覧履歴を追跡して、ユーザーがどの工程でつまずくかといったカスタマーサポートの改善につながるデータも取得できます。

AR印刷の具体的な活用方法の例

AR印刷の具体的な活用方法として、以下の3つを紹介します。

  • チラシやカタログで商品の詳細や魅力を補完する
  • パッケージやラベルで商品のストーリーを伝える
  • 名刺や案内資料から詳細な情報へ遷移させる

活用方法の例を詳細に把握して、自社でどのように活用できるかイメージを深めましょう。それぞれ詳しく説明します。

チラシやカタログで商品の詳細や魅力を補完する

AR印刷によりチラシやカタログの紙面を「動くメディア」として機能させることで、ユーザーの直感的な理解を促せます

例えば、実寸大の3Dモデルを空間に出現させる3Dシミュレーションによって、大型の家具や家電が自宅にマッチするかの確認が可能です。画面のタップによって商品のカラーバリエーションを切り替えたり、特定の部位を拡大表示したりする手法も効果があります。

また、かざしたスマートフォンにプッシュ通知を送信できる機能もあり、チラシを見た直後の関心が高いタイミングで特典情報を配信すれば、成約率の向上を図れます。

あわせて読みたい
販促チラシの作り方とは?心をつかむデザインと効果測定のノウハウを解説 販促チラシは、自社の店舗や商品の認知拡大に役立つ重要なマーケティング手法のひとつです。企業のマーケティング担当者のなかには「販促チラシの作り方がわからない」...
あわせて読みたい
カタログのデザイン完全ガイド!おしゃれにするコツや印刷方法を解説 「カタログのデザイン方法がわからない」「消費者に読んでもらえるカタログの作り方は?」と悩まれている方もいるでしょう。カタログのデザインにこだわると、消費者に...

パッケージやラベルで商品のストーリーを伝える

商品のパッケージやラベルにAR印刷を導入すると、原材料の産地や製造工程といったブランドのストーリーを詳しく伝えられます

例として、食品パッケージにカメラをかざすと、生産地の風景や農家のこだわりを語る動画が再生され、商品の魅力を情緒的に訴求できる方法があります。映像を通じて産地の空気感を届けることで、競合商品との差別化や信頼獲得につながる点が強みです。

また、キャラクターの3Dモデルやアニメーションを出現させて、ブランドへの愛着を醸成するキャンペーンにも広く活用されています。

シール研究部

例えば、キャンペーン期間のみツールを導入し、QRが印刷されたシールをパッケージに貼るだけでも実装が可能です。

あわせて読みたい
購買意欲を引き出すパッケージとは?売れるデザインの作り方を徹底解説 商品パッケージのデザインは、顧客の購買意欲を大きく左右するポイントです。 一方で「売れるパッケージのポイントがわからない」「競合他社より優位に立つにはどうすれ...
あわせて読みたい
商品ラベルのデザインは売上を左右する?価値と魅力を高める方法を解説 優れたデザインの商品ラベルは、消費者の目を引き購入のチャンスを生み出します。第一印象で無意識に購入する商品を決める方は多く、デザインのクオリティと商品価値を...

名刺や案内資料から詳細な情報へ遷移させる

商品に限らず、社員の名刺やパンフレットといった紹介が目的の印刷物にも、AR印刷は使用されています

例えば、名刺にスマホをかざすと本人の紹介動画や会社のPR動画が再生されるように設定すれば、相手に強い印象を残せます。静止画と文字だけでは伝えきれない情報や魅力を、動画によりアピールできる点がメリットです。

また、自社の案内資料をスキャンした際に、多言語対応の音声が流れるように設定することで、インバウンド顧客の利便性が向上します。

シール研究部

ツヤのある紙にQRコードを印刷すると、光の反射で読み取りエラーが起こる場合があります。事前にチェックしましょう。

あわせて読みたい
名刺の作り方を徹底解説!差がつくデザインと印刷のポイントとは? 自社の名刺をおしゃれで印象に残るものにすると、社員のイメージアップにつながります。 名刺作成担当者のなかには「自社の名刺にはどんなデザインが最適か」「印刷のポ...

AR印刷を依頼するポイント

AR印刷が自社で未経験の場合には、実績のある印刷会社に依頼すると、スムーズに印刷物を制作できます。

AR印刷を依頼する際に必要となるものは、以下のとおりです。

種類概要
企画書目的やターゲットユーザーなどの事前分析データの資料
仕様書コンテンツの表示条件や公開期間などを整理したもの
ARマーカー素材画像やQRコードなど、印刷物に埋め込む素材
デジタルコンテンツ動画や3Dモデル、サイトリンクなどのAR表示用のコンテンツ
印刷物の入稿データ印刷物のデザインやサイズ、仕上げなどを決めたデータ

印刷会社を探す際には、問い合わせやホームページを通じて、AR印刷に対応しているかを確認します。印刷とAR制作をワンストップで対応できる会社であれば、デザインとコンテンツの調整まで含めて相談でき、初めての場合は安心です。

アプリ型か「WebAR」がよいかなど、AR印刷の細かな仕様には専門的な判断が必要になります。まずは印刷会社に目的と予算を伝えた上で、詳細は相談するとよいでしょう。

あわせて読みたい
印刷は外注すべき?メリット・デメリットや流れを初心者向けに解説 企業がイメージ通りの印刷物を制作するために、印刷の外注は効果的な選択肢のひとつです。外注の活用により、デザイン性の高い印刷物の制作が可能になり、自社の業務効...

まとめ

まとめ

AR印刷は、紙面の制約を超えて豊富な情報を届けられるだけでなく、ログの収集によって施策の精度を高められる点が大きなメリットです。チラシの情報の補完やパッケージでのストーリー訴求などにより、ユーザーの理解を深め、ブランドへの愛着を醸成できます。

自社に合った活用シーンを検討し、印刷会社の知見も取り入れながら、紙とデジタルを融合させた新しい販促施策を始めましょう。

目次