封緘シールとは、パッケージや封筒の封をして、未開封の証明をするシールです。企業担当者のなかには「封緘シールのメリットや作成方法を知りたい」「パッケージや箱の印象を損ねないデザインは?」と悩んでいる方もいるでしょう。
本記事では、封緘シールの概要から役割、オリジナルシール制作のコツまでわかりやすく解説します。自社商品の安心・安全を確保できるよう、ぜひ最後までご覧ください。
封緘シールとは

封緘シールとは、商品や書類の封をして未開封であることを示すシールです。読み方は「ふうかんシール」で、バージンシールとも呼ばれます。
封緘シールは、封筒や商品パッケージ、包装紙などに封をする用途で貼られます。中身を紛失するリスクの軽減だけでなく、デザインの工夫次第で商品の見栄え向上にもつながるツールです。
なお、既製品の封緘シールは、文具店や雑貨店のほか、ネットショップでも手軽に購入できます。一方で、印刷会社に依頼をして、自社に合ったおしゃれなオリジナルシールを制作することも可能です。
封緘シールのデザイン性を高めるためには、データ作成や印刷の方法にこだわる必要があります。
封緘シールの役割

封緘シール(バージンシール)には、以下の役割があります。
- 封を強化して中身の紛失を防止する
- セキュリティ機能を向上させる
- ブランディングを強化できる
さまざまな役割を具体的に理解することで、封緘シール活用の幅が広がります。それぞれ詳しくみていきましょう。
封を強化して中身の紛失を防止する
封緘シールには、袋やパッケージの中身の紛失を防ぐ重要な役割があります。
紙袋や商品パッケージは、密封性が十分ではない場合も少なくありません。商品を運ぶ際の振動により、蓋がゆるんだりパッケージが歪んだりして開いてしまうこともあるでしょう。封緘シールを貼れば、こうしたアクシデントにより中身が外に出てしまう事態を防げます。
身近な例として、ドミノ・ピザは、安全・安心対策のためにピザの紙容器に「未開封安心シール」を貼った上で、顧客のもとへ届けています。
近年、ネットショッピングや食品デリバリーが普及して商品を輸送する機会が増えており、購入者の安心、安全のために封緘シールの重要性が高まっているのです。
セキュリティ機能を向上させる
封をした中身を守るためのセキュリティ機能を向上させることも、封緘シールの重要な役割です。
例えば、封緘シールは、パッケージの中身の万引きや抜き取り、入れ替えなどを防止する目的で使用されます。最近では、異物混入などのいたずらがSNSで拡散されて企業の信頼を損なうケースもあり、セキュリティ対策は重要な課題です。
また、開封防止機能だけでなく、未開封を証明するセキュリティシールの役割もあります。封緘シールが貼られていると未開封であることがわかりやすいため、特に高額商品や重要書類の封に向いています。
ブランディングを強化できる
封緘シールの使用そのものが商品の高級感や信頼感につながり、ブランド力を高めます。コツを押さえたデザインにより、自社やブランドの魅力をアップさせることも可能です。
例えば、企業やブランドのロゴを印刷するといったオリジナルデザインで、自社を顧客に印象づけられます。また、店頭で手渡す紙袋を閉じる際にも、デザイン性の高い封緘シールをその場で貼ることで、おしゃれな買い物を演出できるでしょう。
オリジナル封緘シールを制作するコツ

封緘シール(バージンシール)の制作には、以下のポイントがあります。
- 目的に合った素材を選ぶ
- 自社ならではのデザインにこだわる
- ミシン目加工やデジタル印刷で機能を向上させる
- 表面加工により美しく仕上げる
封緘シールは自社でも制作できますが、印刷会社に依頼するとデザインや素材の選択肢が広がり、オリジナリティを高められます。それぞれのポイントを詳しくみていきましょう。
目的に合った素材を選ぶ
封緘シールによく使用される素材には、大きく分けると「透明フィルム素材」と「改ざん防止素材」があります。それぞれの特徴を把握し、目的に応じて選択しましょう。
透明フィルム素材の封緘シールは安価で制作でき、単に封をする場合に向いています。特に「透明PET」(ポリエチレンテレフタレート)は透明度が高く、パッケージのデザインを邪魔しないため、封緘シールによく使われる素材です。お菓子の箱や調味料の蓋などによく用いられています。
また、金や銀の素材に箔でロゴを印刷した高級感のあるロゴシールを制作し、封緘シールとして使用する場合や、和風のパッケージに和紙を使用して制作する場合もあります。
一方、改ざん防止素材を使用すると、封緘シールのセキュリティ機能をさらに強化可能です。具体的には、以下のタイプがあります。
- 封緘シールを剥がすと「開封済」「VOID」などの文字が貼付先に転写される
- 一度剥がすと封緘シールそのものに文字が浮き出る
- 素材が脆質フィルムで、剥がすとすぐに裂ける
これらの封緘シールは、一度剥がしたシールを再度貼り直すといった手口を防ぐために有効です。そのため、デジタル機器のパッケージや高級コスメなどの高価格製品に使用されることが多くあります。
自社ならではのデザインにこだわる
封緘シールは、使用する状況や貼る物によっては、オリジナリティを高めるデザインが可能です。特に、化粧品や食品などの封緘シールには、おしゃれで独自性のあるデザインが求められます。
例えば、ブランドのロゴやキャラクター、キャッチコピーなどを印刷する方法があります。無機質な印象がなくなり、消費者に親しみやすい印象やインパクトを与えられるでしょう。
また、封緘シールは角のない形状の方が剥がれにくいため、円や楕円、角丸の長方形にするのが一般的です。ただし、星形などの複雑な形にする、貼る容器にあわせた形にするなど、デザイン性を高くする工夫も可能です。
ミシン目加工やデジタル印刷で機能を向上させる
特殊な加工や印刷方法の工夫により、封緘シールの機能をさらに高められます。
例えば、ミシン目加工をすると、シールが簡単に切れるようになります。商品購入後に封緘シールを上手く剥がせずストレスになる事態を回避できるでしょう。
また、デジタル印刷では、従来の印刷ではできない精密なイラストや特殊インキを使用して、セキュリティ機能を強化できます。特に、コピー商品では封緘シールすら複製されてしまうため、いかに再現しにくいものを使用するかが重要です。
一例として、非常に小さな文字や図柄は一般の印刷機やコピー機では再現できないので、偽造防止になります。
そのほか、コピー機では再現できない「シルバーインキ」や、ブラックライトを当てると光る「インビジブルインキ」などのインキもあります。偽造防止に加えてオリジナル性の高いデザインも実現できるでしょう。
表面加工により美しく仕上げる
表面加工を加えることで、封緘シールのおしゃれ感や独自性を高められます。特に、箔押し加工とエンボス加工はよく用いられる人気の加工です。
加工の種類 | 特徴・効果 |
箔押し加工 | ・素材に金箔や銀箔などの箔を転写する加工 ・ロゴ・社名などに金色や銀色を使用し、高級感を演出する ・近年はホログラム箔もあり、デザインの幅を広げられる |
エンボス加工 | ・印刷する素材に凹凸を付けて立体感を出す加工 ・高級感を演出でき、見た人に「触ってみたい」と感じさせる ・指紋を目立たなくするメリットもある |
ただし、エンボス加工で凹凸を付ける過程で、細かいイラストや文字がつぶれたり、シールの粘着力が低下したりする点に注意が必要です。
こうした詳細な注意点や他の加工については、印刷会社に確認するとよいでしょう。


まとめ

封緘シール(バージンシール)はセキュリティ機能を高めるだけでなく、ブランディング強化にもつながるツールです。自社ならではのデザインを考えた上で、加工により見栄えや機能を向上させる必要があります。
自社のみでの対応が難しい場合には、実績のある印刷会社に相談するのがおすすめです。オリジナル性の高い封緘シールを制作して、商品の安全性と魅力をさらに高めましょう。