アテンションシール(POPシール)には、商品を売り場で目立たせて、購買意欲の向上につなげる効果があります。効果的なオリジナルシールを制作するためには、デザインや訴求方法に関する理解が不可欠です。
本記事では、アテンションシールの概要や効果、デザイン・印刷のポイントなどをわかりやすく解説します。アテンションシールで自社商品の売上向上を実現したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
アテンションシール(POPシール)とは
アテンションシールとは、商品やパッケージに貼り付け、その特徴やキャンペーン情報などを目立たせるためのシールです。アテンションは、英語の「attention」(注意・注目)に由来しています。
アテンションシールには、商品の魅力が伝わる鮮やかな色や、キャッチーなフレーズが用いられます。商品を選ぶ消費者の視線を引きつけ、購買意欲を高めるツールです。シールの一部のみ粘着力がある状態になっており、円形や四角形などさまざまな形があります。
なお、アテンションシールは「POPシール」や「アイキャッチシール」とも呼ばれます。基本的にはいずれも同じ役割を持つものの、印刷会社によって呼び方が異なる点に注意が必要です。
シール制作を依頼する際には、名称だけでなく用途や希望するデザインを具体的に伝えると、仕上がりが理想に近づくでしょう。
アテンションシールがもたらす効果

アテンションシール(POPシール)は、類似商品が多く競争が激しい売り場で効果を発揮します。ヘアケア・ボディケア用品、医薬品、化粧品、洗剤、ペットボトルなど幅広い商品に使われています。
アテンションシールがもたらす主な効果は、以下のとおりです。
- 商品が手に取られやすくなる
- 商品の購買意欲を高める
- 商品に関する新しい情報を伝えられる
それぞれについて詳しくみていきましょう。
商品が手に取られやすくなる
アテンションシールは、商品からはみ出して目立つようにデザインされており、商品が手に取られやすくなる効果があります。どんなに商品の質がよくても、目にとまらないと購入されないため、アテンションシールによる訴求は重要です。
特に、パッケージそのものがシンプルな商品では、アテンションシールが差別化の重要な役割を果たします。例えば「話題の新商品」「プロ推奨」などインパクトのあるメッセージや、目を引くデザインを取り入れると、消費者が興味を持ちやすくなります。
商品の購買意欲を高める
アテンションシールには、商品の特徴や価値をわかりやすく伝え、消費者の購買意欲を高める効果もあります。消費者は短い時間で商品の購入を判断するため、商品の魅力がすぐに伝わるシールが効果的です。
例えば「時短でラクラク」「オールインワン」など、商品のメリットを目立つように記載する方法があります。
その際、ブランドの独自性や他社との差別化要素を取り入れれば、商品の価値をさらに高めることが可能です。
商品に関する新しい情報を伝えられる
アテンションシールは、消費者への訴求ポイントが時期によって変わる商品にも効果があります。一度市場に出した商品も、アテンションシールを貼り替えるだけで、別の切り口で訴求可能です。
例えば「秋の贅沢仕様」や「SNSで話題沸騰」などの時期を限定した訴求方法が挙げられます。また「お試し価格」や「今だけ増量」といったキャンペーン情報などを知らせる手段としても有効です。
パッケージを都度変更する必要がないため、コストを抑えつつ、効果的なマーケティングを実現できます。
アテンションシールのデザイン制作を成功させるポイント

アテンションシール(POPシール)のデザイン制作を成功させるためには、商品の特徴を魅力的に伝える工夫が必要です。
パッケージそのものはシンプルなデザインを保ちたい商品の場合にも、購入後に処分されるアテンションシールにおいては大胆な訴求ができます。特に、商品の魅力が一目で伝わるフレーズを取り入れると効果的です。
例えば「従来比2倍の効果」「今だけ30%増量」など数字を活用したフレーズは、消費者にインパクトを与えられます。「クセ毛に悩む毎日から卒業」「寝ている間に完了」など、商品により得られる未来をイメージできる訴求にするのもおすすめです。
また、見た目は鮮やかで目を引く色や形状を意識するだけでなく、ターゲット層に向けたデザインを心掛けましょう。具体的には、子ども向けにはポップでカラフルなデザイン、高齢層向けには高級感があり落ち着いたトーンのデザインにするなどが考えられます。
こうしたデザインの要素を適切に組み合わせることで、アテンションシールは効果を発揮し、他の商品と差別化できるようになります。
アテンションシールを印刷するコツ

アテンションシール(POPシール)を印刷するコツとしては、以下の3つが挙げられます。
- 目的に応じて糊付けの方法を選ぶ
- 印刷する素材選びにこだわる
- 表面と裏面の両方を活用する
それぞれ詳しく説明します。
目的に応じて糊付けの方法を選ぶ
アテンションシールは、裏面の一部のみに粘着力がある状態になっています。糊付けの方法には、全面粘着力のあるシールを加工して一部の粘着力をなくす「糊殺し(部分糊止め)」と、シールの一部分に糊を乗せる「糊引き」があります。
主な糊付けの方法の概要をまとめると、以下のとおりです。
糊付けの方法 | 概要 |
糊殺し(ニスの塗布) | ・特殊なニスを使用して一部の粘着力をなくす方法 ・糊部分の形状やサイズなどデザインが柔軟な傾向 ・経年劣化により糊がはみ出すリスクがある |
糊殺し(フィルムの貼付) | ・シールの一部にフィルムを貼り付けて粘着力をなくす方法 ・ニスの塗布に比べるとデザインの柔軟性は少ない傾向 ・粘着力や耐久性が高く、糊の劣化による影響が小さい |
糊引き | ・シールの一部分に糊を乗せる方法 ・糊を乗せる部分のサイズが一定以上の必要がある ・原紙の製造メーカーで行う加工のため、大ロットや定期的な印刷に用いられることが多い ・経年劣化をしにくい |
アテンションシールの糊付けに関してはロットや貼付する商品、使用環境に合った方法を選ぶ必要があります。メリットやデメリットを踏まえて印刷会社と相談して決めていくと良いでしょう。
印刷する素材選びにこだわる
アテンションシールでよく使用される素材は、以下のとおりです。
素材 | 特徴 |
PET素材 | ・白PETや透明PETがよく用いられる ・文字やデザインを目立たせやすく、幅広い商品に適している ・透明を生かして貼り付け部分やデザインの一部を透明にして、商品そのものと同化させるデザインも可能 |
ネーマー | ・PET素材に金・銀のホイルで装飾した金ネーマー・銀ネーマーがある ・おしゃれで高級感があるため、酒類や家電製品などによく使用される |
ホログラム | ・キラキラと光る素材で存在感がある ・化粧品や洗剤など、競合が多い商品でよく使用される |
合成紙(ユポ) | ・紙のような質感がありながら、耐久性・耐水性に優れている ・比較的安価な素材のため、頻繁にシールを入れ替える場合にも活用しやすい |
上記のようなプラスチック系の素材は、耐久性が高いことが特徴です。また、アテンションシールは商品から飛び出して貼られるため、自立するコシのある素材が向いています。
ほかにも、近年では環境に配慮した素材の使用も増えています。特に紙素材は、自然な風合いを演出しながら環境への負荷を抑えられ、エコ志向のブランドイメージを強化する手段としても有効です。


表面と裏面の両方を活用する
アテンションシールの効果を最大化するためには、シールの表面だけでなく裏面も戦略的に活用することが重要です。裏面のなかでも、粘着力がなく商品と接していない部分に印刷できます。
表面は、消費者の目を引くデザインやメッセージで構成します。一方で、裏面には、QRコードや商品の詳細情報、自社ブランドに関する説明などを記載することで、情報量が増えて、消費者の関心を高められるでしょう。
なお、商品の形状をきれいに見せたい場合や、商品が縦積みで陳列される場合には、商品の後方にアテンションシールを貼る方法があります。後方に貼る場合には、シールの表面と裏面のデザインが逆になる点に注意してください。
まとめ

アテンションシール(POPシール)は、商品を目立たせて消費者の購買意欲を高める重要なツールです。
商品のターゲットを明確にし、アテンションシールのデザインや素材選び、印刷方法を工夫すると、商品を効果的にアピールできます。その際、商品の魅力が一目で伝わるキャッチコピーの活用も重要です。
本記事を参考に、商品の売上向上につながるアテンションシールを制作しましょう。